伊賀上津駅

伊賀上津駅：地域の足として半世紀以上

三重県伊賀市伊勢路に位置する伊賀上津駅は、近畿日本鉄道（近鉄）大阪線に属する駅です。駅番号はD54。昭和5年（1930年）12月20日、参宮急行電鉄阿保～佐田間開通と同時に参急上津駅として開業しました。その後、幾度かの会社合併を経て、近畿日本鉄道の駅となり、昭和16年（1941年）3月15日には現在の駅名、伊賀上津駅に改称されています。

歴史を刻む伊賀上津駅

伊賀上津駅の歴史は、昭和初期の鉄道発展と深く関わっています。開業から現在に至るまで、幾多の変遷を経験してきました。昭和35年（1960年）には阿保～伊賀上津間の複線化、昭和48年（1973年）には伊賀上津～西青山間の全線複線化が完成し、輸送力向上に大きく貢献しました。平成19年（2007年）にはPiTaPaの利用開始、平成24年（2012年）には快速急行の通過化（急行は停車）など、時代の変化に合わせて進化を遂げてきました。平成25年（2013年）12月21日からは無人駅となりました。

駅構造と設備

伊賀上津駅は、築堤上に位置する地上駅で、相対式ホーム2面2線のシンプルな構造です。ホームの有効長は6両分。駅舎は2番のりば側にあり、1番のりばへは構内踏切で連絡しています。名張駅が管理する無人駅であり、自動改札機は導入されていません。PiTaPaやICOCAは専用の簡易改札機で対応しています。かつてはトイレが設置されていましたが、現在は閉鎖・解体されています。

停車列車と運行状況

伊賀上津駅には、急行（桜井駅～榊原温泉口駅間各駅停車）と普通列車（名張駅・青山町駅～伊勢中川駅間運転）が停車します。日中は1時間に1本の急行が停車しますが、急行の運行時間は朝6時台から夜22時台まで（大阪方面直通は朝7時台から夜21時台まで）と限られており、それ以外の時間帯は普通列車のみの運行となります。

利用状況の変遷

伊賀上津駅の利用客数は、開業当初から現在まで変動を見せています。近年は減少傾向にあり、2023年11月7日時点の一日乗降人員は約116人です。過去のデータと比較すると、ピーク時は一日あたり300人を超える利用者がありましたが、近年は100人前後で推移しています。この減少傾向は、自動車の普及や近隣地域への人口流出などが影響していると考えられます。

駅周辺環境

伊賀上津駅の周辺には、上津郵便局、国道165号、三重県道2号伊賀青山線などがあり、生活利便性は比較的高いと言えます。特に三重県道2号伊賀青山線は駅舎の前が終点となっており、地域交通の要衝となっています。

隣の駅

伊賀上津駅の隣の駅は、青山町駅（D53）と西青山駅（D55）です。快速急行は伊賀上津駅を通過しますが、急行と普通列車は停車します。

まとめ

伊賀上津駅は、長年にわたり地域住民の生活を支えてきた歴史ある駅です。無人化や利用客数の減少といった課題を抱えながらも、地域交通の要衝として、これからもその役割を担っていくことでしょう。今後の駅周辺の開発や交通網整備によって、利用客数増加への期待も持たれています。

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