伊賀上野駅

伊賀上野駅：伊賀地域の交通拠点

伊賀上野駅は、三重県伊賀市三田町にあるJR西日本関西本線と伊賀鉄道伊賀線の接続駅です。JR西日本と伊賀鉄道が共同で使用する駅で、JR西日本が管理しています。関西本線非電化区間の途中駅であり、三重県内で唯一、JR西日本が直営する駅という特徴も持ちます。伊賀市の中心駅は上野市駅ですが、伊賀上野駅は伊賀地域における重要な交通拠点として機能しています。

歴史

伊賀上野駅の歴史は古く、1897年1月15日に関西鉄道の駅として開業しました。当初は「上野駅」という駅名でしたが、1916年9月11日に現在の「伊賀上野駅」に改称されました。その後、国有化を経て、1987年の国鉄分割民営化によりJR西日本に継承されました。

一方、伊賀鉄道伊賀線は1916年8月8日に開業。当初は「上野駅連絡所」という名称で、伊賀軌道（後の伊賀電気鉄道、伊賀鉄道）によって運営されていました。その後、国有鉄道の伊賀上野駅と統合され、幾度かの経営移管を経て、2007年に近鉄から伊賀鉄道へ移管され、現在に至ります。

2021年7月には、亀山鉄道部の廃止に伴い、伊賀上野駅の管理は奈良駅管区に移管されました。また、近年ではICOCAの導入など、利用者の利便性向上に向けた取り組みが進められています。

駅構造

伊賀上野駅は地上駅で、単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線の、合計2面3線のホーム構造です。JR西日本と伊賀鉄道がそれぞれ異なるホームを使用しています。JRの改札口は駅舎側にあり、伊賀鉄道のホームへは跨線橋で連絡しています。自動券売機が設置されており、JRの券売機では伊賀鉄道の乗車券も購入できます。ただし、JRから伊賀鉄道への乗り換えには、伊賀鉄道の駅または車内での精算が必要となる点に注意が必要です。

トイレは駅舎東側にあり、バリアフリーに対応した男女別の水洗式トイレが設置されています。改札内と改札外から利用可能ですが、それぞれ独立した空間となっています。

利用状況

2019年度の1日平均乗車人員は、JR西日本が約525人、伊賀鉄道が約278人（JRからの乗り継ぎ人員を含む）でした。伊賀鉄道の1日乗降人員は年々変動していますが、近年は400～700人程度となっています。過去には1000人を超える日もあったようです。

駅周辺

伊賀上野駅の周辺は、住宅地と田畑が混在する地域です。駅南側を流れる服部川を渡ると、伊賀上野武道館や上野運動公園競技場などがあります。駅裏手にはタイル工場があり、その周辺は住宅地となっています。駅南東側には工業団地が広がり、倉庫や工場などが立地しています。また、駅から北へ進むと三田坂を経て桜峠に至りますが、バイパス道路の開通によりアクセスが改善されました。駅前には三重交通のバス路線も発着しており、周辺地域へのアクセスも良好です。

その他

伊賀上野駅では、関西本線の夜間滞留が行われており、夜行列車の始発・終着駅としての役割も担っています。過去には、特急「あすか」や急行「かすが」も停車していましたが、現在は廃止されています。かつて存在した貨物側線や中線は、現在は撤去されています。伊賀鉄道の駅名標はJR仕様と同様のデザインを採用しており、JRのロゴも入っています。

伊賀上野駅は、JRと伊賀鉄道の接続駅として、伊賀地域の交通の要衝となっています。歴史と現代が融合するこの駅は、今後も地域の活性化に貢献していくでしょう。

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