伽羅橋駅

伽羅橋駅（きゃらばしえき）

伽羅橋駅は、大阪府高石市羽衣五丁目に位置する南海電気鉄道高師浜線の駅です。駅番号はNK16-1。高師浜線の中で唯一の中間駅として、地域の人々に利用されています。

歴史

伽羅橋駅は、1918年（大正7年）10月2日に南海高師浜線の開通と同時に、終着駅として開業しました。翌年の1919年（大正8年）10月25日には、高師浜線が高師浜まで延伸され、途中駅となりました。

その後、1944年（昭和19年）6月1日に会社合併により近畿日本鉄道の駅となり、1947年（昭和22年）6月1日に路線譲渡により南海電気鉄道の駅となりました。1970年（昭和45年）2月1日には高架化されています。

2012年（平成24年）4月1日には駅ナンバリングが導入され、利用客に分かりやすい駅表示となりました。2021年（令和3年）5月22日から2024年4月5日までの期間は、羽衣駅 - 当駅間の高架化工事のため営業を休止し、その間はバスによる代行輸送が行われました。そして、2024年（令和6年）4月6日、高架化工事が完了し、営業を再開。新たに多機能トイレも供用開始され、利便性が向上しました。

駅構造

伽羅橋駅は、単式ホーム1面1線を有する高架駅です。ホームは2階にあり、線路から見て西側に位置しています。ホームの長さは3両分程度ありますが、現在は2両編成で運行されているため、一部が閉鎖されています。1階のコンコースは高架の柱がむき出しになった構造が特徴的です。

無人駅であるため窓口は封鎖されていますが、構内にはトイレが設置されています。

高架化工事期間中は、駅付近の道路が狭隘であったため、駅構内は閉鎖され、駅から300 - 400メートルほど離れた大阪府道204号堺阪南線上に代行バスの停留所が2箇所設置されていました。

利用状況

2019年（令和元年）の1日平均乗降人員は1,539人（乗車人員：785人、降車人員：754人）です。

伽羅橋の由来

駅名の由来となった伽羅橋は、室町時代に南朝の後村上天皇に所縁を持つ大雄寺の門前、芦田川に架けられた紀州街道の木橋でした。橋の材木に香木の沈香（伽羅）を使用していたことが名前の由来とされています。「泉州志」には、かつて橋板が沈香であり、それを売って千貫の銭を得たため、「千貫橋」と呼ばれていたという記述があります。

1865年（慶応元年）には、大鳥郡今在家村（現高石市羽衣）の吉次郎が発起人となり、石橋が架け替えられました。この石橋は、長さ11.1m、幅4.5mで、花崗岩の方形切り石を組み、緩いアーチを描く桁橋でした。1988年（昭和63年）に芦田川の改修工事に伴い、臨海部にある高砂公園に移設され、2008年（平成20年）4月18日には登録有形文化財となりました。

駅周辺

駅前には伽羅橋公園があり、ツツジ、サツキ、センダンの大木がシンボルとなっていましたが、高師浜線高架工事に伴い閉鎖され、樹木は伐採されました。駅周辺は大正期に高級住宅地として開発され、伽羅橋駅の南東には洋風住宅や噴水公園などが盛り込まれた「キヤラバシ園」が開かれました。

その他、駅周辺には以下の施設があります。

銀装羽衣工場
浜寺公園
大阪国際ユースホステル
大鳥羽衣浜神社
* 高石神社

かつて銀装羽衣工場の南東にあった赤木宗成家住宅は「キヤラバシ園」の邸宅の一つでしたが、解体され、有形文化財の登録は抹消されました。

隣の駅

南海電気鉄道

高師浜線

羽衣駅 (NK16) - 伽羅橋駅 (NK16-1) - 高師浜駅 (NK16-2)

※括弧内は駅番号を示します。

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