佐々木元

佐々木元（ささき はじめ）

佐々木元は、1936年4月6日に愛知県名古屋市で生まれた日本の実業家です。2022年6月21日に86歳で亡くなるまで、日本の経済界、特に情報通信技術分野において重要な役割を果たしました。元NEC代表取締役会長であり、その功績から従四位旭日重光章を受章しています。

生い立ちと学歴

佐々木元は、日本銀行総裁を務めた佐々木直を父に持ち、幼少期を名古屋で過ごしました。祖父は朝鮮総督府官僚の佐々木藤太郎です。東京都杉並区立第七小学校から成蹊中学校・高等学校に進み、その後、東京大学工学部電気工学科を卒業しました。さらに、東京大学大学院数物系研究科で修士課程を修了し、高度な専門知識を身につけました。

日本電気（NEC）でのキャリア

1961年4月、佐々木元は日本電気株式会社（NEC）に入社しました。技術者としてのキャリアをスタートさせ、その後、経営者としての才能を開花させます。1999年には代表取締役会長に就任し、NECの経営を牽引しました。

在任中、情報通信技術の急速な発展に対応し、NECの事業構造改革やグローバル展開を推進しました。そのリーダーシップは、日本の情報通信産業の発展に大きく貢献しました。

その他の役職と社会貢献

NECでの活動に加えて、佐々木元は多くの団体の要職を務めました。2000年から日本プラントメンテナンス協会会長、2002年からは日本工学教育協会会長を歴任しました。これらの活動を通じて、日本の産業界全体の発展と技術教育の向上に尽力しました。2007年から2年間は情報処理学会の会長も務め、情報技術の発展にも貢献しました。

2008年6月にNECの取締役会長となり、2009年6月に退任、その後特別顧問に就任しました。

受賞と栄典

佐々木元の功績は、数々の賞と栄典によって称えられています。

1995年：科学技術功労者
2001年：IEEEロバート・ノイス・メダル
2006年：レジオンドヌール勲章シュヴァリエ
2009年：情報処理学会功績賞
2018年4月29日：旭日重光章
2022年6月21日：従四位

特に、2018年の旭日重光章の受章は、長年にわたる産業界への貢献が認められたものです。また、死去後の従四位叙位は、その生涯における功績を改めて称えるものでした。

死去

佐々木元は、2022年6月21日午前0時32分、誤嚥性肺炎のため東京都港区の病院で亡くなりました。享年86歳。

まとめ

佐々木元は、日本の情報通信技術の発展に多大な貢献をした実業家であり、卓越した経営手腕と社会貢献活動を通じて、多くの人々に影響を与えました。その生涯は、日本の産業界の歴史において重要な足跡として刻まれています。

脚注

* 特集：わが道・わが友/NEC会長・佐々木元氏

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