佐々木聖子

佐々木聖子：日本の入国管理を牽引した女性官僚

佐々木聖子（ささき しょうこ）は、1961年10月29日生まれ、日本の法務官僚です。彼女は、出入国在留管理庁の初代長官を務めるなど、日本の入国管理行政において重要な役割を果たしました。

生い立ちとキャリアの始まり

山形県出身の佐々木聖子は、東京大学文学部で美術史を専攻しました。卒業論文では聖徳太子像を扱ったという異色の経歴を持ちます。国家公務員採用上級甲種試験（行政）に合格後、当初は文化財行政を志望していましたが、難民問題への関心から法務省入国管理局（現：出入国在留管理庁）に入局しました。

アジアでの異例の経験

入局後、佐々木はアジア各国での勤務を重ねるという異例の経歴を歩みました。この経験は、彼女の国際的な視野を広げ、入国管理行政に対する深い理解を培う上で大きな影響を与えたと考えられます。

出入国在留管理庁長官として

佐々木は、女性として初めて入国管理局長に就任した後、2019年4月1日に発足した出入国在留管理庁の初代長官に任命されました。長官として、入国・在留管理に関する政策の推進や、外国人との共生社会の実現に向けた取り組みを指揮しました。

退官後の活動

2022年8月2日に退官後も、佐々木は公益財団法人入管協会の業務執行理事（2023年5月26日就任）や、オープンハウスグループの外部監査役（2023年12月20日就任）として、引き続き社会に貢献しています。

年表

1985年3月：東京大学文学部卒業
1985年4月：法務省入省
1994年4月：大阪入国管理局統括審査官
1996年4月：法務省入国管理局総務課法務専門職（法務専門官）
1998年4月：法務省入国管理局政策課長補佐（補佐官）
2000年4月：法務省入国管理局入国在留課長補佐（補佐官）
2002年3月：法務省入国管理局総務課長補佐（補佐官）
2005年4月：法務省入国管理局総務課入国管理調整官
2006年4月：法務省東京入国管理局次長
2007年4月：法務省入国管理局総務課出入国情報管理室長
2008年4月：法務省入国管理局警備課長
2009年7月：法務省大臣官房参事官・大臣官房秘書課政策評価企画室長
2010年12月：法務省入国管理局入国在留課長
2012年1月：法務省入国管理局総務課長
2014年1月：法務省大臣官房会計課長
2015年4月1日：法務省大臣官房審議官（入国管理局担当）
2019年1月18日：法務省入国管理局長
2019年4月1日：出入国在留管理庁長官
2022年8月2日：退職
2023年5月：公益財団法人入管協会業務執行理事
2023年12月：オープンハウスグループ外部監査役

著書

『アジアから吹く風 : いま外国人労働者のふるさとは』朝日新聞社、1991年5月。ISBN 978-4022562852。
* 『アジア諸国における労働者の国際移動に関する研究』法務総合研究所〈法務研究報告書 第80集 第2号〉、1994年2月。

佐々木聖子は、そのキャリアを通じて、日本の入国管理行政の発展に大きく貢献しました。彼女の経験と知識は、今後の日本の入国管理政策にも大きな影響を与え続けるでしょう。

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