佐々木雄太

佐々木雄太氏は、1943年4月20日に北海道函館市で生まれました。日本の政治学者であり、特にイギリス政治外交史を専門としています。名古屋大学の名誉教授であり、長年にわたり教育・研究活動に貢献してきました。

学歴と職歴

1966年に京都大学法学部を卒業後、1968年に同大学大学院法学研究科政治学専攻の修士課程を修了しました。その後、博士課程に進みましたが、1969年に中退しています。

大学院修了後は、大分大学で助手、講師、助教授を歴任し、教育者としてのキャリアをスタートさせました。1984年には名古屋大学法学部に助教授として着任し、1985年には教授に昇進しました。1988年には、名古屋大学から法学博士号を授与されています。博士論文は「三〇年代イギリス外交戦略：帝国防衛と宥和の論理」です。

2004年に名古屋大学を定年退官し、同大学の名誉教授となりました。退官後も教育分野での活動は続き、2004年から2012年まで愛知県立大学の学長を、2012年から2017年まで名古屋経済大学の学長を務めました。2021年には、長年の教育・研究における功績が認められ、瑞宝中綬章を受章しています。

社会的活動

佐々木氏は、教育・研究活動以外にも、日本学術振興会のグローバルCOEプログラムプログラム委員会の委員を務めるなど、社会的な活動にも積極的に関わっています。

研究分野

専門分野であるイギリス政治外交史では、特に20世紀のイギリス外交戦略、帝国主義、国際関係史について深く研究しています。博士論文のテーマでもある1930年代のイギリス外交戦略や、スエズ戦争におけるイギリスの帝国主義とナショナリズム、冷戦との関係など、多岐にわたるテーマを研究対象としています。

著書

佐々木氏は、研究活動の成果を多数の著書として発表しています。主な単著には、『30年代イギリス外交戦略――帝国防衛と宥和の論理』（1987年）、『イギリス帝国とスエズ戦争――植民地主義・ナショナリズム・冷戦』（1997年）、『国際政治史――世界戦争の時代から21世紀へ』（2011年）があります。また、『イギリス帝国と20世紀（3）世界戦争の時代とイギリス帝国』（2006年）の編著や、（木畑洋一氏との共編著）『イギリス外交史』（2005年）も手がけています。

さらに、翻訳書として、オッド・アルネ・ウェスタッド著『グローバル冷戦史――第三世界への介入と現代世界の形成』（2010年）も出版しています。

これらの著書は、いずれもイギリス政治外交史研究における重要な文献として、学術界で高く評価されています。

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