佐太神社

佐太神社について

佐太神社（さだじんじゃ）は、島根県松江市鹿島町佐陀宮内に位置し、出雲国の二宮として知られています。この神社は、旧社格として国幣小社に指定され、出雲國神仏霊場の第四番目の神社にあたります。特に注目すべきは、9月25日に行われる御座替祭の前夜に開催される荘厳な佐陀神楽です。この神楽は地域に根付いた伝統行事で、訪れる人々に感動を与えています。

歴史と創建

佐太神社は、創建から長い歴史を有しています。「秋鹿郡佐田大社之記」には、垂仁54年（前33年）に創建されたと記されており、養老元年（717年）には再建されたと伝えられています。社名の変遷に関しては、『出雲国風土記』で「佐太御子社」と記載されており、延喜式神名帳には「佐陀神社」との表記があります。

近世には、社名が「佐陀大明神」や「佐陀大社」に変更されるなど、地域の信仰の変遷とともに、数度の呼称変更を経て現在の「佐太神社」に至ります。また、神階においては、貞観元年（859年）に従五位下、貞観9年（867年）に従五位上、貞観13年（871年）に従四位下へと昇格しています。

祭神と文化

佐太神社の祭神には、正殿、北殿、南殿の三殿があり、それぞれに12柱の神々が祀られています。正殿には佐太御子大神を含む5柱の神がおり、北殿には天照大神と瓊々杵尊、南殿には素盞嗚尊と秘説の4柱が祀られています。神紋にも各殿ごとの独自性があり、正殿の扇の地紙、北殿の輪違、南殿の二重亀甲などが見られます。

佐太御子大神は、猿田彦神とされ、出雲国の伝説に登場します。「サダ」の語源についても様々な説があり、水田の狭田や岬を指すとも言われています。

文化財と神事

佐太神社周辺には、志谷奥遺跡があり、銅鐸や銅剣が出土しています。この遺跡は神話的な背景と結びつき、地域の歴史を物語っています。また、文化財としては、ユネスコ無形文化遺産の佐陀神能が有名で、重要文化財に指定されている建物や工芸品も多く存在します。これらの文化財は、地域の伝統を今に伝える重要な役割を果たしています。

祭礼については、古来から75度行われてきたと伝えられていますが、近世では多くの祭りが廃れてしまったと言われています。現在行われている代表的な祭事には、節分祭や神在祭などがあり、地域住民にとって大切な意味を持っています。

アクセス

佐太神社へのアクセスは、JR松江駅から一畑バスを利用するのが便利です。多くの参拝者が訪れるこの神社は、歴史的価値や文化的魅力を持ち、訪れる人々に深い感動を与えています。様々な文化財や神話が息づくこの場所を訪れ、出雲の歴史を感じてみてはいかがでしょうか。

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