佐賀県立美術館

佐賀県立美術館：佐賀の美術と歴史を語る空間

概要

佐賀県立美術館は、佐賀県佐賀市城内にある県立美術館です。隣接する佐賀県立博物館とは通路で直接行き来できるほど近接しており、両館は一体運営されています。館長をはじめとする運営組織は共通で、佐賀県による博物館事業の一環として美術館が位置づけられています。そのため、両館の役割分担や他の県立博物館との連携については、様々な議論がなされているところです。

美術館の設立は、1983年（昭和58年）にさかのぼります。佐賀県政100年記念事業の一環として建設され、それまで美術館機能を兼ねていた佐賀県立博物館から、その機能を移転しました。その後、2014年から2015年にかけて、老朽化対策などを目的とした大規模な改修工事が行われ、現在に至っています。

展示とコレクション

佐賀県立美術館では、主に佐賀県ゆかりのある近現代の芸術家の作品を展示しています。絵画、彫刻、工芸品、書など、多様なジャンルの作品が約3700点（2014年3月末時点）収蔵されています。

特に力を入れているのが、佐賀県出身の近代洋画家、岡田三郎助の作品群です。常設展示室「OKADA-ROOM」では、彼の代表作を中心に、その功績を顕彰する展示が展開されています。さらに、館外には岡田三郎助のアトリエを東京都渋谷区の旧宅から移築復元した施設があり、アトリエに接続した増築部分「女子洋画研究所」も見学できます。

また、県出身の彫刻家、古賀忠雄の作品を屋外に展示した「古賀忠雄 彫刻の森」も、美術館の重要な構成要素となっています。

収蔵品は、美術館の公式ウェブサイトにある「SAGAデジタルミュージアム」で、画像や概要を閲覧できます。

教育活動とイベント

佐賀県立美術館は、展覧会を通じて来場者の理解を深めるための様々な教育活動を行っています。展覧会に関連した文献の紹介や、館員による研究成果の公開などを通して、美術への関心を高めています。

学童向けの企画も積極的に行われており、夏休みには子ども向けの特別企画「夏休みこどもミュージアム」が開催されるなど、幅広い世代が楽しめるプログラムが用意されています。過去の企画例として、「現生の動物」「化石」「美術の中のいきものたち」「生き物のこれから」といったテーマがありました。

企画展も盛んに開催されており、過去には「フランスの宝石箱 ナント美術館展」のような大規模な展覧会も実施されています。その他、「幕末佐賀の近代化産業遺産」をテーマにした企画展など、地域に密着したテーマを取り上げていることも特徴です。

また、九州各地のGLAM施設（美術館、図書館、博物館、アーカイブ）と積極的に交流し、所蔵作品を貸し出す事業も行っています。2022年には、青木繁と坂本繁二郎両名の生誕140年を記念した交流事業を実施しました。

施設とアクセス

美術館は2階建ての鉄筋コンクリート造の建物です。館内には、常設展を行う展示室の他、企画展や発表会、演奏会などに利用できる2階画廊やホール（487席+障がい者用5席）が備わっています。

館内の様子は、Googleストリートビューによってホームページ上で公開されています。エントランスから1階ホール、そしてOKADA-ROOMの一部を見ることができます。

所在地は佐賀県佐賀市城内1-15-23です。JR九州長崎本線佐賀駅から徒歩30分、タクシーで11分、佐賀市営バスで15分です。西九州自動車道佐賀大和インターチェンジからは車で25分です。駐車場は計114台分あり、美術館と博物館に分散して設置されています。

開館時間は9:30～18:00、休館日は月曜日と年末年始（12月29日～31日）です。常設展は無料ですが、企画展は有料となる場合があります。高校生以下、障がい者、介助者は無料です。

まとめ

佐賀県立美術館は、佐賀の美術、歴史、そして文化を深く理解できる貴重な施設です。近現代の美術作品から、地域の産業遺産、そして自然史資料まで、多様な展示を通じて、佐賀の魅力を多角的に発信し続けています。近隣にある佐賀県立博物館との連携も強く、佐賀の文化を深く探求したい方には最適な場所と言えるでしょう。

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