僕と先輩のマジカル・ライフ

僕と先輩のマジカル・ライフ

『僕と先輩のマジカル・ライフ』は、はやみねかおる氏によって2003年に角川書店から刊行された推理小説です。2006年には角川文庫版も発行され、ゴツボ×リュウジ氏が手掛けた表紙が印象的です。2013年からは角川つばさ文庫版も刊行されており、こちらは庭氏が挿絵を担当しています。

この作品は、殺人事件を扱わない日常に潜む謎や不可思議な現象をテーマにした推理小説です。

あらすじ

M大学文化人類学科に入学した井上快人は、家賃の安い下宿『今川寮』で生活を始めます。そこで出会ったのは、幼なじみの川村春奈と、変人として有名な長曽我部慎太郎でした。長曽我部の策略により、快人と春奈は『あやかし研究会』に入会させられてしまいます。それは、文字通り、あやかし（不思議な現象）を研究する会でした。こうして3人は、様々な不可思議な事件に巻き込まれていくことになります。

登場人物

メインキャラクター

井上快人（いのうえ かいと）
M大学文化人類学科の大学生。真面目な性格で、月5万円の収入で質素な生活を送っています。幼なじみの春奈に好意を抱いていますが、あまり意識していません。今川寮の105号室に住み、あやかし研究会では『戦闘員（したっぱ）』の地位にいます。

川村春奈（かわむら はるな）
M大学文化人類学科の大学生で、霊能力者。快人の幼なじみで、彼に好意を寄せています。明るくワガママな性格で、快人と同じ大学、同じ講義を選んでいます。女子学生専用の高級マンション『エクラタン』に住み、あやかし研究会では『幹部候補生』です。

長曽我部慎太郎（ちょうそかべ しんたろう）
M大学の学生。大学に長く在籍しすぎて学年が不明。オカルトグッズを身につけており、あやかし研究会では『課長』の地位にいます。普段は飄々としていますが、不思議な紋様を消すとある変化が現れます。

今川寮の住人

今川健一
今川寮の大家で、うどん屋『今川庵』の主人。ジンクスにこだわります。
加藤茂
農学部2年生。ニックネームは『シゲ』。
平真
医学部生。人を斬ることに興味があります。
杉沢隆史
教育学部3年生。ニックネームは『カラガク』
黒川雄一
農学部3年生。空手部の副将。
二上一
人文学部4年生。ギャンブラーで金貸し。
東郷龍司
工学部建築科の5年生。ニックネームは『ロンさん』

その他

柳川
今川寮の元住人。証券会社に就職。

他作品との関連

はやみねかおる氏の別シリーズ『名探偵夢水清志郎事件ノート』の『『ミステリーの館』へ、ようこそ』に快人と春奈が登場します。
同じく別シリーズ『都会のトム&ソーヤ』に、今川寮に住む黒川雄一が登場します。
アンソロジー『少年探偵と4つの謎』に収録の『砂人形おどる校庭』で、小学６年生の長曽我部慎太郎が登場します。
* アンソロジー『きみに贈るつばさ物語』に収録の『幽霊屋敷にて人喰い鏡を見る』で、高校生の長曽我部慎太郎、小学６年生の快人と春奈が登場します。

『僕と先輩のマジカル・ライフ』は、日常に潜む不思議な出来事と、個性豊かなキャラクターたちが魅力的な作品です。ぜひ一度手に取ってみてください。

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