ゴツボ×リュウジ

ゴツボ×リュウジ（1976年 12月8日 - ）は、滋賀県長浜市出身・在住の日本の漫画家です。親しみを込めて「ゴッチン」という愛称で呼ばれています。

幅広い活動

漫画制作にとどまらず、小説の挿絵、Tシャツのデザイン、CDのアートワークなど、多岐にわたる分野で才能を発揮しています。家族もまた漫画家という環境にあり、弟はゴツボ☆マサル、妻はゴツボナオと、共に漫画の世界で活躍しています。さらに、漫画制作をサポートする兄もいるという、まさに漫画一家です。

来歴

地元の短期大学を卒業後、2000年に漫画家としてデビュー。デビュー作である『イッツアビューティフルデイ』は、第9回エース新人漫画賞奨励賞を受賞しました。初の連載作品は『新人漫画賞への道』。漫画家になったきっかけについて本人は、「それ以外の仕事は無理だと考えたため」と語っています。デビュー初期には、『新人漫画賞への道』などで「現役女子大生作家」「花の現役女子高生漫画家」といった、事実に反するキャッチコピーが使用されていた時期もありました。

2011年3月には、ゴツボのデビュー11周年を記念したプレゼントフェアが開催され、多くのファンに祝福されました。サッカー好きとしても知られ、Twitterのプロフィールには「ガンバとインテルをおうえんしています」と記載。高校サッカーを題材にした漫画も手掛けていますが、自身がサッカー部に所属していたのは小学校時代のみ。これは、中学・高校にサッカー部がなかったためです。また、ロボットアニメや特撮のフィギュア、食玩なども好んでおり、ブログで頻繁に紹介しています。

2015年9月からは、『少年マガジンエッジ』10月号にて『ARAMITAMA』を連載開始。講談社の漫画誌に作品が掲載されるのは、この時が初めてでした。

作風

ゴツボ作品の最大の特徴は、「グダグダな少年少女の青春模様」と「なんでもあり」な自由奔放な作風です。ハイテンションで予測不能なストーリー展開が多く、作品紹介や単行本の帯には「脱力系」「グダグダ」といった言葉がよく用いられます。しかし、その一方で、世の中の不条理さを読者に訴えかけるようなシリアスな一面も持ち合わせており、特に初期作品にはその傾向が強く見られます。

作品には、地元滋賀県や関西地方のローカル色が色濃く反映されているのも特徴です。登場人物の名前が滋賀県内の地名に由来していたり、滋賀県民のソウルフード「サラダパン」が登場したり、関西弁（特に湖北弁）での会話が繰り広げられたりします。さらに、登場人物のセリフやコマの背景には、ダジャレやお笑いネタ、アニメや漫画のパロディ、「よっこいしょーいち」「ゴイス」のような懐かしい死語、「ドギャーン」「あちし」「むぅ」「〜するがよいよ」といった独特な擬音や言い回しが散りばめられています。単行本の巻末やカバー下のおまけ漫画が充実している点も、ファンにとっては見逃せない魅力の一つです。

作品リスト

連載

ササメケ（『少年エース』2002年1月号 - 2004年1月号、全5巻）
パン★テラ（『月刊IKKI』2003年 - 2005年、全3巻）
ササナキ（『少年エース』2004年4月号 - 2006年5月号、全4巻）
荒魂トライブ（『ビーンズエース』2005年 - 2007年、全1巻）
もののけもの（『少年エース』2006年9月号 - 2008年9月号、全4巻）
ぎぶそん（漫画版）（原作：伊藤たかみ、『COMIC PIANISSIMO』2006年 - 2007年、全1巻）
アニコイ（『少年エース』2009年2月号 - 2012年5月号、全8巻）
あしがる（『少年エース』2013年6月号 - 2014年8月号、全3巻）
ARAMITAMA（『少年マガジンエッジ』2015年10月号 - 2017年5月号、全4巻）
異世界落語（原作：朱雀新吾、『ヤングエースUP』2018年3月20日 - 2020年10月13日、全4巻）
花色ローカルワールド（『少年エースplus』2024年4月17日 - 連載中、既刊1巻）
2024年10月25日発売、ISBN 978-4-04-115665-0

読み切り

ササメキ（初期短編作品集、2004年発刊）
そらるとつづら（『少年エース』2015年2月号）

アンソロジー

新世紀エヴァンゲリオンエヴァ&エヴァ2アンソロジー（2004年、角川コミックス・エース）
涼宮ハルヒの絢爛（2009年12月26日発売、角川コミックス・エース） - 『涼宮ハルヒの憂鬱』公式アンソロジー第3弾
サマーウォーズ公式コミックアンソロジー（2010年7月3日発売、角川コミックス・エース） - 同作のファンとして参加
ふしぎの海のナディアコミックアンソロジー（2012年11月26日発売、角川コミックス・エース） - 同作のファンとして参加
ギャルと付き合っちゃったアンソロジー（2017年6月26日発売、角川コミックス・エース） - 漫画
長浜ものがたり大賞コレクション（2017年8月5日発売、サンライズ出版） - イラスト「石田みつなり子（仮）ちゃんまちかどにて」を収録
けものフレンズコミックアラカルトジャパリパーク編その2（2017年8月26日発売、角川コミックス・エース） - 漫画

挿絵など

小説中学生日記（アンソロジー、著：萩生田宏治、唯野未歩子、双生健太、鈴木卓爾、橋本美香）
ぎぶそん（著：伊藤たかみ）
僕と先輩のマジカル・ライフ（著：はやみねかおる）
トワイライト（著：ステファニー・メイヤー、訳：小原亜美）
サウンドシアターシリーズ『レインボーマン』『月光仮面』『七色仮面』（原作：川内康範）
探偵小説シリーズ（著：古野まほろ）
ゴールライン（著：秋木真）
Heart Beat（アンソロジー、著：芦原すなお、伊藤たかみ、小路幸也、楡井亜木子、花村萬月、藤谷治）
一生使える国語力-四つの力で文章が読める（著：石原大作）
ジンクス恋の呪い（著：キャボット・メグ、訳：代田亜香子）
きのうの世界を壊します解体屋顛末記（著：三枝玄樹）
すべる時間（本人本）（著：幽谷マサシ）
サッカーボーイズ（著：はらだみずき）角川つばさ文庫版
少年探偵と4つの謎（アンソロジー、著：角川つばさ文庫、赤川次郎、杉山亮、はやみねかおる、松原秀行）

その他

「2008まんがベストテン！」特集（『ぱふ』2009年4月号） - アンケート回答
『惑星のさみだれ』完結記念特別小冊子（『ヤングキングアワーズ』2010年9月号・10月号応募者全員サービス） - 寄稿
FINAL FANTASY展（2012年9月1日、9月2日開催） - イラスト寄稿
『ガンダム Gのレコンギスタ』第1巻（原作：富野由悠季、漫画：太田多門、2014年12月26日発売） - 寄稿

関連人物

左藤圭右：アシスタント。左藤の単行本デビュー作である『動物探偵まどかの推理日誌』第2巻の帯には、ゴツボがイラストとコメントを寄せています。

外部リンク

電脳ゴツボ商会 - ゴツボ☆マサル・ゴツボナオとの共同ページ。作品リスト、ブログなど。
ゴツボ×リュウジ (@xryuji) - X（旧Twitter）
* ×リュ - pixiv

もう一度検索