八戸市美術館

八戸市美術館：歴史と芸術の融合

青森県八戸市に位置する八戸市美術館は、地域に根ざした貴重な文化施設です。1986年の開館以来、美術愛好家や地域住民に親しまれてきました。その歴史は、八戸市出身の実業家である今淵正太郎氏が、生涯にわたって収集した美術品を八戸市に寄贈したことに始まります。

今淵コレクションと美術館の設立

今淵コレクションには、八戸藩ゆかりの資料をはじめ、江戸時代の絵師橋本雪薫による「山水の図」、清朝時代の釉裏紅花瓶など、美術史的に貴重な作品が数多く含まれていました。これらの貴重なコレクションを核に、青森県内で初めて博物館法に基づいて設立された美術館として、八戸市美術館は誕生しました。開館当初は、八戸市中心市街地の旧八戸税務署ビルが使用されていました。

新時代の幕開け：新美術館の建設

長年にわたる活動を支えてきた旧館でしたが、展示スペースや収蔵庫の不足、建物の老朽化といった課題がありました。これらの課題を解決するため、2016年から新美術館の建設が始まり、2017年4月に一旦閉館。そして、2021年11月3日、総工費約32億円を投じた新美術館が完成し、再開館を迎えました。

新美術館の魅力

新美術館は、鉄骨造り3階建て、延べ床面積約4590平方メートルというスケールを誇ります。特に目を引くのは、約835平方メートルという広大な展示空間を持つ「ジャイアントルーム」です。この多様なレイアウトに対応可能な空間は、大規模な展示会やイベントにも対応でき、より多くの来場者に豊かな芸術体験を提供します。

充実したコレクションと展示

新美術館では、今淵コレクションを始め、渡辺貞一、樋口猛彦、豊島弘尚、佐々木泰南といった作家の絵画や書など、平成30年度時点で2808点にも及ぶ作品群を収蔵しています。これらの作品は、時代やジャンルを超えた幅広い展示を通して、来場者に新たな発見と感動を提供します。

アクセス情報

八戸市美術館へのアクセスは非常に良好です。JR八戸線本八戸駅から徒歩約10分、八戸駅東口バスプールからは八戸市営バス、南部バス、十和田観光電鉄バスで「八戸中心街ターミナル（八日町）」バス停まで乗車し、徒歩約3分と、公共交通機関でのアクセスも便利です。また、八戸自動車道八戸インターチェンジからも車で約15分と、車でのアクセスも容易です。

青森の芸術文化を牽引する存在

八戸市美術館は、青森県内の5館で構成される「AOMORI GOKAN」にも参加し、青森県における芸術文化の振興に貢献しています。今後も、地域社会に開かれた美術館として、美術を通じた文化交流の拠点としての役割を担い、人々の生活を豊かに彩る存在であり続けるでしょう。

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