内田麟太郎

内田麟太郎：言葉の魔術師、詩と童話の世界

内田麟太郎（うちだ りんたろう、1941年2月11日 - ）は、福岡県大牟田市生まれの日本の詩人、童話作家です。父親も詩人である内田博（本名・弘喜智）であり、幼い頃から文学に親しむ環境で育ちました。

生い立ちと詩作

19歳で上京後、看板職人として働きながら詩作を始めました。詩人の遠地輝武、秋山清に師事し、『新日本詩人』『潮流詩派』を経て、現在も『方方』詩友、『騒』同人、『0』同人として活動しています。詩集には「これでいいへら」「あかるい黄粉餅」「なまこ饅頭」などがあります。

童話作家としての才能開花

38歳から児童書の執筆を開始し、絵本を中心に数々の名作を生み出しました。『さかさまライオン』で絵本にっぽん賞を受賞したのを皮切りに、『うそつきのつき』で小学館児童出版文化賞、『がたごとがたごと』『すやすやタヌキがねていたら』『ともだちできたよ』『くじらさんのーたーめならえんやこーら』で日本絵本賞を受賞するなど、数々の賞に輝いています。また、童話『ふしぎの森のヤーヤー』は産経児童出版文化賞の推薦を受け、絵本「おばけでんしゃ」のスウェーデン版は翻訳絵本の部で「ピーターパン賞」銀賞を受賞しました。少年詩集も手掛け、『きんぎょのきんぎょ』や『ぼくたちはなく』、『たぬきのたまご』などがあります。

多彩な作品群と受賞歴

内田麟太郎の作品は、絵本、童話、紙芝居、詩集など多岐にわたり、その数は膨大です。主な絵本作品には、「ともだちや」シリーズ、「がたごとがたごと」、「かあちゃんかいじゅう」などがあり、長新太、荒井良二、降矢なななど、著名なイラストレーターとの共作も多数あります。

長年の児童文学への貢献が認められ、第55回児童文化功労賞、第39回巖谷小波文芸賞を受賞しています。また、2016年5月から2020年5月まで日本児童文学者協会理事長を務めました。

地域への貢献と「ともだちや絵本美術館」

内田麟太郎は、故郷である福岡県大牟田市への貢献も積極的に行っています。大牟田大使を務める傍ら、2021年10月1日に大牟田市動物園内に開館した「ともだちや絵本美術館」は、内田の尽力により、「ともだちや」シリーズの原画などが寄託・寄贈され、開館に至りました。

影響と評価

長新太、今江祥智に私淑し、言葉の魔術師と呼ばれる内田麟太郎。その作品は、ユーモアと温かさに満ち溢れ、子どもたちの心を豊かに育んでいます。また、海外でも翻訳出版されており、世界中の子どもたちに愛されています。

内田麟太郎の作品は、読む人に勇気と希望を与え、忘れかけていた大切な感情を思い出させてくれるでしょう。

主な作品リスト(一部抜粋)

絵本：「さかさまライオン」、「うそつきのつき」、「がたごとがたごと」、「ともだちや」シリーズ
童話：「ふしぎの森のヤーヤー」シリーズ、「ぶたのぶたじろう」シリーズ
紙芝居：「たぬきのきつね」、「でっかいぞでっかいぞ」
詩集：「これでいいへら」、「あかるい黄粉餅」

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