巖谷小波文芸賞

巖谷小波文芸賞

巖谷小波文芸賞は、日本の児童文学界において、特に重要な賞の一つとして知られています。この賞は、単に優れた児童文学作品を評価するだけでなく、児童文化の発展に大きく貢献した人物や団体を表彰することを目的としています。

概要

1978年に日本青少年文化センターによって創設されました。賞の名前は、明治期に児童文芸の発展に尽力した巖谷小波に由来しています。巖谷小波文芸賞は、作品そのものよりも、その人物の活動や業績に焦点を当てて選考される傾向があります。そのため、児童文学作家だけでなく、児童雑誌、テレビ番組、挿絵画家、漫[[画家]]など、幅広い分野で児童文化に貢献した人々が受賞しています。

日本青少年文化センターは、巖谷小波文芸賞に先立ち、久留島武彦文化賞も制定しており、児童文化の振興に力を注いできました。

受賞者

過去の受賞者には、児童文学界を代表する著名な作家や、児童文化の発展に貢献した様々な分野の人物が含まれています。

第1回 (1978年度): 山中恒
第2回 (1979年度): 手塚治虫
第3回 (1980年度): 童話雑誌『びわの実学校』(坪田譲治主宰)
第4回 (1981年度): まど・みちお
第5回 (1982年度): 月刊保育絵本「キンダーブック」（フレーベル館）
第6回 (1983年度): 筒井敬介
第7回 (1984年度): 寺村輝夫
第8回 (1985年度): 関英雄
第9回 (1986年度): 阪田寛夫
第10回 (1987年度): 長新太
第11回 (1988年度): 佐藤さとる
第12回 (1989年度): NHK幼児テレビ番組「おかあさんといっしょ」
第13回 (1990年度): 庄野英二
第14回 (1991年度): CDブック『長岡輝子、宮沢賢治を読む』 (草思社)
第15回 (1992年度): 谷真介
第16回 (1993年度): 『少年小説大系』(三一書房)尾崎秀樹、小田切進、紀田順一郎共同監修
第17回 (1994年度): 古田足日
第18回 (1995年度): 神沢利子
第19回 (1996年度): 『日本の昔話』全5巻 (おざわとしお再話・赤羽末吉画) 福音館書店
第20回 (1997年度): 松谷みよ子
第21回 (1998年度): 宮崎淑子
第22回 (1999年度): 松岡享子
第23回 (2000年度): 那須正幹
第24回 (2001年度): 日本国際児童図書評議会
第25回 (2002年度): 上橋菜穂子「守り人シリーズ」全4巻 偕成社
第26回 (2003年度): こやま峰子「地雷のあしあと」など、これまでの創作活動に対して
第27回 (2004年度): 工藤直子 日本の青少年文化への貢献に対して
第28回 (2005年度): なかえよしを・上野紀子 三十年にわたる文学性の高い絵本創作の活動に対して
第29回 (2006年度): 岩崎京子 半世紀にわたる児童文学創作活動に対して
第30回 (2007年度): 小野かおる
第31回 (2008年度): 佐野洋子
第32回 (2009年度): 三田村信行
第33回 (2010年度): 君島久子
第34回 (2011年度): 角野栄子
第35回 (2012年度): 中村妙子
第36回 (2013年度): 藤城清治
第37回 (2014年度): 天沢退二郎
第38回 (2015年度): 高野文子
第39回 (2016年度): 内田麟太郎
第40回 (2017年度): 加古里子
第41回 (2018年度): ミロコマチコ
第42回 (2019年度): 田島征三
第43回 (2022年度): 岡田淳
第44回 (2023年度): 長倉洋海
第45回 (2024年度): 村中李衣

選考委員

巖谷小波文芸賞の選考は、児童文学の研究者や評論家、作家など、児童文化に精通した専門家によって行われます。選考委員は、長年にわたり児童文学界の動向を見守り、その発展に貢献してきた人々で構成されています。

外部リンク

日本青少年文化センター

巖谷小波文芸賞は、日本の児童文学界における重要な指標の一つとして、今後もその役割を果たし続けることが期待されます。

もう一度検索