利光鶴松

利光 鶴松について

利光 鶴松（としみつ つるまつ、1864年2月6日 - 1945年7月4日）は、日本の著名な政治家、弁護士、実業家として知られています。彼は衆議院議員を2期務め、東京府第五区から選出されました。また、小田原急行鉄道（現在の小田急電鉄）の創業者としても名を馳せています。

人物の背景

豊後国（現在の大分県）に生まれた利光は、幼少期から学問に励みました。1864年に農家の家庭に生まれた彼は、1879年に家の跡を継ぐことになります。彼は岡山に赴き、漢学塾で陽明学を学び、のちに上京して明治法律学校に入学。1900年には推薦校友として卒業を果たします。その後、代言人試験に合格し、弁護士としての道を歩み始めました。

代言人時代

法律の世界に足を踏み入れると、利光は1889年に政治活動を開始します。大同団結運動に参加し、1890年には立憲自由党に入党しました。彼の政治家としてのキャリアは、星亨の影響を受けながら進展しました。

政治家としての活躍

利光は1896年に深川区から市会議員に立候補し当選します。この成功を経て、1898年には東京府第五区から衆議院議員に選出され、憲政党幹事にも就任しました。ですが、1900年に発生した収賄事件に関与したことで、1902年には議員資格を失います。この出来事が後の実業界への転身のきっかけとなりました。

実業家としての活動

収賄事件に関与した後、利光は実業界への道を選びます。1899年には東京市街鉄道の敷設に参加し、1905年には同社の取締役に就任。さらに、日光での鉱山業計画に取り組み、1910年に鬼怒川水力電気を設立、社長に就任しました。1923年には小田原急行鉄道を創立し、社長としてその発展に寄与しました。1927年には新宿駅から小田原駅間の全線開通を達成しました。

功績と死去

その後、彼の功績は高く評価され、1940年には紺綬褒章を受章しますが、1941年には高齢や事業の失敗を理由に役職を退きました。1945年、利光は世田谷区の自宅で亡くなり、多磨霊園に埋葬されました。

死後の評価

1955年には向ヶ丘遊園に「利光鶴松翁の頌徳碑」が建立され、1965年には銅像も設置されました。また、彼が教員として働いていた場所には「松鶴庵」が移築され、営業されていました。利光の影響はその後も多くの人々に受け継がれています。

家族

利光の家族には、元・日本航空社長の息子、利光松男や、学校法人を創設した娘、伊東静江がいます。また、養子には小田急電鉄の元取締役副社長がいます。

このように、利光鶴松は日本の近代史において多彩な業績を残し、その生涯を通じて政治と実業の融合の象徴的な存在となりました。

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