加悦SL広場

加悦SL広場とは

加悦SL広場は、かつて京都府与謝野町に存在した鉄道保存展示施設です。1977年に開園し、2020年3月末に惜しまれつつ閉園しました。この広場は、主に加悦[[鉄道]]で活躍した車両を保存・展示しており、鉄道ファンだけでなく、多くの家族連れにも親しまれていました。

歴史

加悦SL広場の歴史は、1977年に旧加悦駅構内の一部を利用して「加悦SLの広場」として開設されたことに始まります。当時、SLブームだったこともあり、多くの鉄道ファンが訪れました。その後、1993年に加悦駅用地が譲渡されることになり、1996年に大江山鉱山駅跡に移転し、「加悦SL広場」としてリニューアルオープンしました。

運営は、加悦[[鉄道]]から社名変更した「カヤ興産株式会社」が行っていましたが、2011年に宮津港運株式会社との合併により「宮津海陸運輸株式会社」に引き継がれました。最盛期には、27両の車両が保存・展示され、そのうち11両が動態保存されていました。

展示車両

広場内には、蒸気機関車、ディーゼル機関車、気動車、客車、貨車など、様々な種類の車両が保存・展示されていました。

特に注目すべきは、旧加悦[[鉄道]]2号機関車（123号機関車）で、国の重要文化財に指定されています。この機関車は、日本遺産「丹後ちりめん回廊」の構成文化財にもなっており、非常に貴重な存在です。

他にも、以下のような車両が保存されていました。

蒸気機関車: 加悦[[鉄道]]2号、4号、1261号、国鉄C57 189、C58 390、東洋レーヨン103
ディーゼル機関車: 加悦[[鉄道]]DB201、DC351、神奈川臨海[[鉄道]]DB202、TMC100形モーターカー、日本専売公社岡山KD-4
気動車: 加悦[[鉄道]]キハ101、キハユニ51、キハ08 3、キハ10 18
客車: 加悦[[鉄道]]ハ21、ハブ3、ハ4995、フハ2、ハ10、サハ3104
電車: 京都市電狭軌1形23号車、南海電鉄モハ1202
貨車: 遠州[[鉄道]]ト404、加悦[[鉄道]]ワブ3、国鉄ヨ2047、キ165、蒲原[[鉄道]]保線用トロッコ

これらの車両は、加悦[[鉄道]]だけでなく、他の鉄道会社で活躍していたものも含まれており、日本の鉄道史を語る上で非常に重要な存在でした。

閉園とその後

加悦SL広場は、施設の老朽化や経営上の問題から、2020年3月末に閉園しました。閉園前には、多くの鉄道ファンや地元住民が訪れ、最後の雄姿を見届けました。

閉園後、車両は各地に譲渡され、新たな場所で保存されています。一部の車両は、与謝野町内で保存されることになり、加悦[[鉄道]]資料館で一般公開されています。また、加悦鐡道保存会によって、動態保存を目指す活動も続けられています。

閉園までの経緯

2019年12月、運営会社の宮津海陸運輸が閉園を検討していることが報道され、その理由として、車両の老朽化と技術継承の難しさが挙げられました。

その後、2020年2月に正式に閉園が発表され、同年3月末に閉園となりました。閉園直前には、加悦鐡道保存会主催の「さようなら『加悦SL広場』再現列車運転会」が開催され、多くのファンが最後の思い出を作りました。

運営会社の変遷

加悦SL広場の運営は、以下の通り変遷しました。

1. 加悦[[鉄道]]株式会社（1977年開設時）
2. カヤ興産株式会社（加悦[[鉄道]]から社名変更）
3. 宮津海陸運輸株式会社（カヤ興産と宮津港運の合併により発足）

その他

加悦SL広場には、かつてショップ蒸気店やカフェトレイン蒸気店があり、お土産や食事が楽しめました。しかし、これらの店舗も2018年までに閉店しています。

また、広場では、毎年ゴールデンウィークと11月初旬に「加悦[[鉄道]]祭り」が開催され、多くの人々で賑わっていました。

まとめ

加悦SL広場は、多くの人々に愛された鉄道保存展示施設でしたが、2020年3月にその歴史に幕を閉じました。しかし、保存されていた貴重な車両たちは、新たな場所でその姿を後世に伝え続けています。加悦SL広場の歴史は、日本の鉄道史の一つの側面を象徴しており、その価値は決して失われることはありません。

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