北九州市立松本清張記念館

北九州市立松本清張記念館

北九州市立松本清張記念館は、福岡県北九州市小倉北区に位置し、作家松本清張の生涯や業績に関する展示を行う文学館です。1998年8月4日に開館し、彼の功績を称え、後世に伝えることを目的としています。

清張は日本を代表する作家であり、彼が小倉北区出身であることから、その故郷に記念館が設けられました。館内では清張の作品や生活に関する展示が豊富に取り揃えられており、訪問者は彼の作家としての側面を深く理解することができます。この記念館では、映像や展示物を通じて、清張がどのように日本文学に影響を与えたのかを知ることができます。

特に注目すべきは、清張の自宅の忠実な再現です。東京都杉並区高井戸にあった彼の家をモデルに、書斎や書庫、応接間が当時のままの状態で再現されています。これにより、訪問者は清張をより身近に感じ、彼の作業や思考の環境を知ることができます。また、オリジナルのドキュメンタリー映像「日本の黒い霧 - 遙かな照射」の上映も行われており、彼の作家としての視点や思想に触れることができる貴重な機会となっています。

さらに、所定の企画展が定期的に開催されるほか、著名な講師を招いた講演会などのイベントも定期的に行われています。これらの催し物は、訪問者に新たな知見や感動をもたらし、清張の世界観に浸るきっかけとなります。

記念館は、開館10周年を迎えた2008年には第56回菊池寛賞を受賞しました。その理由は、厳しい地方財政の中で高品質な研究誌を刊行し、数多くの魅力的な企画展を準備するなど、努力してきたことにあります。このような取組みが評価されたのです。

また、2009年には清張の生誕100年を記念して北九州市が様々なイベントを企画し、その影響もあって入館者数が増加しました。ちょうど「100歳の誕生日」の2日前となる12月19日には、累計入館者が100万人を達成しました。これも記念館の普及活動が実を結んだ証といえるでしょう。

館長には、文藝春秋で清張を担当していた藤井康栄が長年にわたり就任しており、現在は名誉館長としてその役割を果たしています。記念館では、ウェブサイトで閲覧可能な館報や企画展図録のほか、専門家による研究誌『松本清張研究』も発行されており、清張に関する研究や情報発信を進めています。

設計と建築

この記念館は、宮本忠長建築設計事務所の設計によって建設され、1998年6月に完成しました。建物はRC（鉄筋コンクリート）とプレキャストコンクリートで構成され、建築面積は1583.50 m²、延床面積は3391.69 m²、敷地面積は2800 m²となっています。地上2階と地下1階の構成で、多彩な展示スペースを有しています。

利用情報

記念館の所在地は、北九州市小倉北区城内2番3号です。一般の入館料は600円で、高校生以下や団体には割引が設けられています。また、障害者手帳をお持ちの方にも配慮があります。開館時間は9:30から18:00までで、入館は17:30まで受け付けています。月曜日は休館日で、年末年始にも休みが設けられています。

交通案内

交通アクセスは、西鉄バス北九州の小倉城・松本清張記念館前バス停または北九州市営バスの松本清張記念館前バス停で下車し、徒歩ですぐです。JR九州の小倉駅からは徒歩約15分、西小倉駅からは徒歩5分の距離にあり、利便性も良好です。また、自動車利用の場合は北九州高速1号線の大手町出入口から1.1km、勝山出入口から700mと近く、訪問しやすい立地にあります。

記念館の周辺には、小倉城や勝山公園、小倉北警察署などもあり、訪問と共に地域の散策も楽しむことができます。

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