北村美術館

北村美術館の概要

北村美術館（きたむらびじゅつかん）は、京都市上京区に位置する登録博物館で、古美術や茶道具を専門に展示しています。この美術館は、実業家および茶人であった北村謹次郎（1904-1991）によって収集された貴重なコレクションを収蔵しています。美術館の設立は1975年（昭和50年）で、その後1977年（昭和52年）に開館しました。運営は公益財団法人北村文華財団が行なっています。美術館の設計は、著名な建築家である富家宏泰が手掛けました。

コレクションの特徴

北村家は奈良県吉野地方で代々林業を営んできた家族であり、北村は夫婦揃って茶道や美術品収集に情熱を注いできました。そのため、美術館の所蔵品は茶人としての視点から厳選されたものが多数含まれており、特に茶器や茶碗といった名品が多くを占めます。このコレクションには、絵画や古筆も多く含まれ、これらは掛軸類として茶席の床にかけることを意識して選ばれています。

美術館には、国の重要文化財に指定された33件の作品をはじめ、日本の古美術や茶道具の貴重なコレクションが展示されています。特に、与謝蕪村の作品や高麗時代の経箱、また近世の優れた陶磁器などが豊富に揃っており、訪れる人々に様々な美術的体験を提供しています。

隣接する茶苑「四君子苑」

北村美術館には隣接する「四君子苑」という茶苑があります。こちらの茶苑は、東山の緑を借景にした非常に美しい昭和数寄屋の設計で、特別公開される時期には一般の人々も訪れることができます。四君子苑内には、国の重要文化財指定の石灯籠や石塔が設置されており、美しい庭園の中で歴史的価値を感じることができます。

主な収蔵品

北村美術館の所蔵品には以下のような重要文化財が含まれています：

• - 紙本著色藤原仲文像（佐竹本三十六歌仙）
• - 与謝蕪村筆の紙本墨画淡彩鳶鴉図（2幅）
• - 夕顔蒔絵硯箱
• - 高麗時代の牡丹唐草文螺鈿経箱
• - 仁清による色絵鱗波文茶碗

これらの作品は、日本の美術や文化の深い理解を促すだけでなく、茶道具の豊かな伝統にも触れることができます。特に、茶道具としての機能性や美的価値を兼ね備えた品々は、訪問者に感動を与えることでしょう。

アクセス

北村美術館は、京都市上京区河原町今出川下ル一筋目東入梶井町448に位置しています。アクセスは便利で、京阪電鉄出町柳駅から徒歩約10分、京都市営地下鉄烏丸線の今出川駅からは徒歩約20分です。美術館を訪れる際には、周辺の歴史的な観光地と合わせて楽しむことができます。豊かな文化と歴史に触れながら、北村美術館でのひと時をお楽しみください。

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