北海道立函館美術館

北海道立函館美術館：道南の芸術文化を彩る拠点

北海道函館市に所在する北海道立函館美術館は、道南地域における芸術文化の中核を担う美術館です。国内外の幅広い美術作品を紹介するだけでなく、独自のテーマに基づいたコレクションを収集・保存し、研究活動にも力を入れています。

3つの柱となるコレクション

同美術館のコレクションは大きく3つのテーマに分かれています。1つ目は「道南の美術」です。蠣崎波響や横山松三郎といった巨匠から、戦後の作家まで、道南で活躍した美術家の作品を網羅しています。特に、市民の募金によって収集された田辺三重松の作品群は、このコレクションの重要な部分を占めています。これらの作品を通して、道南美術の歴史を俯瞰することができます。

2つ目のテーマは「書と東洋美術」です。これは、函館市出身の著名な書家、金子鷗亭氏にゆかりがあります。鷗亭氏は開館にあたり、自身の代表作に加え、長年にわたって収集した書と東洋美術作品を多数寄贈しました。これらの作品は、「鷗亭記念室」にて、年間を通して順次公開されています。

3つ目のテーマは「文字と記号に関わる現代美術」です。2つ目のテーマである書のコレクションから発展したもので、地域やジャンルを超えた作品を取り入れることで、コレクションに現代性と国際性を付与しています。

現在、函館市からの寄託作品を含む、2200点以上の作品を所蔵しています。

教育普及活動と地域連携

美術館では、コレクションを活用した多様な教育普及活動が展開されています。ワークショップや講演会など、様々な企画を通して、地域住民への芸術文化への理解促進に貢献しています。また、開館以来、ボランティア団体「いちいの会」が美術館活動を支えるなど、地域との連携も深く築かれています。

アクセスと施設

北海道立函館美術館は、函館市芸術ホール、函館市北洋資料館といった文化施設に隣接しています。また、五稜郭タワーや五稜郭公園からも至近距離に位置しており、観光客にもアクセスしやすい立地です。

美術館の施設は、特別展示室、常設展示室（鷗亭記念室を含む）、講堂、売店・喫茶コーナーなどを備えています。開館時間は9時30分から17時（入場は16時30分まで）で、月曜日（祝日の場合は開館）や年末年始などは休館となります。

まとめ

北海道立函館美術館は、道南の豊かな芸術文化を伝え、地域社会に貢献する重要な施設です。その充実したコレクションと活発な活動は、多くの人々に感動と学びを提供しています。五稜郭を訪れる際には、ぜひ立ち寄ってみてください。

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