北里柴三郎記念館

北里柴三郎記念館：偉大な医学者の足跡と、地域社会の息吹を感じる場所

熊本県阿蘇郡小国町、自然豊かな「学びやの里」の中に佇む北里柴三郎記念館は、日本を代表する医学者、北里柴三郎博士の生涯と業績を後世に伝える施設です。彼の旧居宅と生家、そして貴重な資料や書籍が展示されており、来館者は博士の足跡をたどり、その偉業を肌で感じることができます。

北里柴三郎博士の理念と記念館の誕生

記念館の建設は、北里柴三郎博士の「学習と交流」という理念に基づいて、1916年（大正5年）に一部が完成しました。その後、1986年に始まった小国町の地域振興計画「学びやの里構想」に、北里研究所と北里学園（現・統合）が協力。1987年（昭和62年）、北里学園創立25周年記念事業として、記念館は再生、新たな命を吹き込まれました。

現在では、一般財団法人学びやの里が運営管理を行い、博士の功績を称え、未来へ繋ぐ役割を担っています。単なる博物館ではなく、地域住民の生活文化の中心として、町民の交流や学習の場としても重要な役割を果たしている点が大きな特徴です。

館内概要：歴史と資料、そして博士の息遣い

記念館内には、以下の施設があります。

北里文庫：貴重な書籍や資料が収蔵されています。
貴賓館（交流の館）：北里柴三郎博士が帰省時に使用した居宅で、当時の生活の様子を垣間見ることができます。
書庫：研究資料や書簡などが保管されています。
生家の一部：集落にあった生家を移築しており、博士の生い立ちを偲ぶことができます。

これらの建物は、往時の面影を残しており、来館者は歴史の中にタイムスリップしたかのような感覚を味わえるでしょう。

開館時間、入館料、アクセス

所在地：〒869-2505 熊本県阿蘇郡小国町大字北里3199
開館時間：9:30～16:30（年中無休、12/29～1/3を除く）
入館料：大人600円（団体500円）、高校生450円（団体400円）、小中学生350円（団体300円）、幼児無料。障害者手帳をお持ちの方は200円割引
アクセス：JR九州豊肥本線阿蘇駅から九州産交バス、または西鉄天神高速バスターミナル・博多バスターミナルからの高速バスで「ゆうステーション」下車後、タクシーで約5km。車の場合は、九州自動車道熊本ICから約60km、大分自動車道日田ICから約35kmです。

周辺環境と関連施設

記念館周辺は、廃線となった国鉄宮原線の北里駅跡や、のどかな田園風景が広がるエリアです。周辺には、研修宿泊施設「木魂館」、交流促進センター・レストラン「北里バラン」、そして「博士の湯」など、関連施設が充実しています。これらの施設と合わせて訪れることで、より深く「学びやの里」の魅力を体感できるでしょう。さらに、東京都港区にある北里研究所にも『北里柴三郎記念室』があります。

北里柴三郎記念館は、単なる史跡ではなく、地域社会の活性化にも貢献する複合施設です。歴史と自然、そして人々の温かさを感じられる場所として、多くの人々に愛されています。

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