北鎮記念館

北鎮記念館は、北海道旭川市にある、屯田兵や旧陸軍第七師団に関する資料を展示する資料館です。陸上自衛隊旭川駐屯地に隣接しており、無料で入館できます。この施設は、歴史的な背景を持つ資料を展示するだけでなく、人気漫画「ゴールデンカムイ」の聖地としても注目されています。

概要

北鎮記念館は、屯田兵や旧陸軍第七師団の歴史、そして陸上自衛隊第2師団の活動に関する約2,500点の資料を展示しています。陸上自衛隊の広報施設としての役割も担っており、展示規模は埼玉県朝霞市の陸上自衛隊広報センターに次ぐ大きさです。旭川駐屯地の敷地内にありますが、駐屯地の出入り口を通らずに入館できるのが特徴です。管理・運営は旭川駐屯地業務隊が行い、館長は森山英介1等陸尉が務めています。

「ゴールデンカムイ」の聖地

漫画「ゴールデンカムイ」は、第七師団を題材としており、アニメ化もされたことから、北鎮記念館は聖地として多くのファンが訪れています。作者の野田サトル氏が作画の参考にしたとされる軍服や、主人公の杉元佐一が使用する銃剣などが展示されています。以前はコスプレコーナーも設けられ、登場人物の衣装や武器のレプリカが用意されていましたが、現在は感染症対策のため休止されています。

音声ガイドアプリの導入

スマートフォン向けに専用の無料アプリが提供されており、館内37ヶ所の展示スポットについて解説を聞くことができます。アプリの利用には、受付でのチェックインが必要ですが、画像や説明文はいつでも閲覧できます。日本語の他に英語版も用意されており、外国からの訪問者も楽しめます。スマートフォンを持っていない方には貸し出しも行っています。

沿革

1962年、日露戦争で使用された軍刀の寄贈をきっかけに、第2師団長の和田盛哉氏が記念館の設立を提唱しました。1963年に初代記念館が開設され、1964年には旧厩舎を移築した2代目記念館が誕生しました。その後、1990年の増改築を経て、2007年に現在の3代目記念館が新築されました。2020年には音声ガイドアプリ、2021年にはバーチャルツアーが導入されています。

展示品

約2,500点の資料が展示されており、1階には記念館設立の趣旨や旧陸軍第七師団の歴史、陸自第2師団の活動が紹介されています。2階には永山武四郎や屯田兵に関する史料が展示されています。

主な展示品

「第七師団史」: 終戦時に埋められて保管されていた、旧陸軍第七師団の機密文書。全国で唯一現存するものと言われています。
「国見の図」: 屯田兵本部長の永山武四郎らが上川盆地を視察する様子を描いた絵画です。
「旭日章」: かつて旭橋に掲げられていた標章のレプリカです。
「安田優少尉の遺書」: 二・二六事件の将校、安田優少尉の遺書です。
「乃木希典の書」: 日露戦争の英雄、乃木希典大将の直筆の書です。
「扇型色紙」: 乃木希典大将らが署名した色紙です。
「大迫尚敏師団長の書」: 第七師団第2代師団長の大迫尚敏の書です。
「第27連隊建物配置図」: 第七師団第27連隊の建物の配置図です。
「第七師団司令部門柱」: 旧陸軍第七師団司令部の門柱です。

バーチャルツアー

YouTubeの第2師団広報チャンネルで「北鎮記念館バーチャルツアー」が公開されており、自宅でも展示品を見学できます。全18回の配信が予定されています。

付帯施設

館内には図書コーナー、多目的室、売店「北鎮メモリアルショップ」が併設されています。売店では、旭川駐屯地の人気メニュー「北鎮カレー」や自衛隊グッズを購入できます。

基本情報

所在地: 北海道旭川市春光町国有無番地
開館時間: 夏季（4月～10月）午前9時～午後5時、冬季（11月～3月）午前9時30分～午後4時
休館日: 毎週月曜日（祝日の場合は翌日）、年末年始
交通アクセス: 旭川駅からバスで約15分
駐車場: 普通自動車25台、大型バス3台、身障者用2台
入館料: 無料

来館者数

2008年に3万人、2011年に10万人、2017年に20万人を突破しており、年間約2万人の来館者があります。

記念館の建物

鉄筋コンクリート造り2階建てで、総面積は約1,270平方メートルです。総工費は約4億円です。建物のデザインは、旧陸軍のれんが造り兵器庫をモチーフにしており、2013年には建築賞を受賞しています。

歴代館長

2007年8月～　平塚　清隆（1等陸尉）
2013年8月～　佐藤　政克（3等陸佐）
2016年3月～　南　　和宏（1等陸尉）
* 2018年12月～　森山　英介（1等陸尉）

北鎮記念館は、北海道の歴史と自衛隊の活動を学ぶことができる貴重な施設です。ぜひ一度訪れて、その魅力を体験してください。

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