千光寺山ロープウェイ

千光寺山ロープウェイ：尾道の空中散歩

瀬戸内海の美しい景色と歴史深い街並みを誇る広島県尾道市。その象徴的な存在として、千光寺山ロープウェイが多くの観光客を山頂へと誘います。1957年の開業以来、幾多の進化を遂げながら、変わらぬ魅力で人々を惹きつけてきました。

路線の歴史とゴンドラの変遷

当初、尾道駅裏からの敷設が計画されていましたが、商店街の要望を受け、現在のルートが採用されました。観光客の利便性を第一に考えられたこの路線は、長江口から千光寺山頂へと続く、全長約365m、高低差約115mの空中散歩です。

ゴンドラは現在3代目。初代から2代目までは「かもめ」と「さくら」の愛称で親しまれてきました。2代目は、2003年に尾道市長の提案により、赤い車体からパステルグリーンへと塗り替えられ、尾道市のシンボルマークも追加されました。しかし、2011年に運行を終了し、現在に至る3代目へとバトンタッチされました。

3代目のゴンドラは、一般公募されたデザインを採用。ダークブラウンを基調とした車体に、緑色のドア（さくら）と青色のドア（かもめ）が配され、山と海をイメージしたデザインとなっています。窓の面積も約3割拡大され、より素晴らしい景色を堪能できるようになりました。

絶景と観光スポット

千光寺山ロープウェイからは、日本百景にも選ばれた尾道の絶景を一望できます。映画や絵葉書にも度々登場するこの風景は、多くの人の心を捉えてきました。山頂駅周辺には、千光寺、山頂展望台、日本さくら名所100選に選ばれた千光寺公園、艮神社、御袖天満宮、天寧寺、尾道市立美術館など、多くの観光スポットが点在しています。女性ガイドによる生解説付きのゴンドラに乗車すれば、より一層、尾道の魅力を味わうことができるでしょう。

運行情報とアクセス

ロープウェイの運行時間は午前9時～午後5時15分までですが、年末年始や観光シーズンなど、時間延長される場合もあります。15分毎に運行され、所要時間は約3分。山麓駅と山頂駅のどちらも1面2線のホームを持ち、さくら号とかもめ号がそれぞれ異なるホームから発着します。2022年4月からは、かもめ号に車椅子専用昇降機が設置されました。

毎年12月には定期点検のため、1週間以上の運休期間がありますので、旅程を計画する際はご注意ください。おのみちバスとのセット券「おのみちフリーパス」も販売されており、バスとロープウェイを組み合わせて尾道観光を楽しむことができます。

安全と快適性への取り組み

2003年には39年間無事故を達成し、中国運輸局長表彰を受賞しました。2014年には、大規模な改修工事が行われ、原動機装置の交換など、安全と快適性の向上に努めています。おのみちバスによる指定管理者体制の下、安全で快適なロープウェイ体験を提供し続けています。

千光寺山ロープウェイは、尾道観光の拠点として、これからも多くの人々に思い出深い体験を提供し続けることでしょう。

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