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Senju（センジュ）

Senjuは、日本の大手シンクタンクである野村総合研究所（NRI）が開発・提供する、企業向けIT運用管理製品群の総称です。現代の複雑なITシステム環境において、その安定稼働、効率的な管理、そしてビジネス変化への迅速な対応を支援することを目的として設計されています。システム監視やジョブ管理といった基盤的な運用業務から、サービスデスク機能、さらにはエンタープライズ規模での統合的な管理まで、IT運用管理の広範な領域をカバーしています。

主な製品群

Senju製品群は、機能や目的に応じて複数の主要製品で構成されています。

Senju Operation Conductor

システムの基盤的な運用管理を担う製品です。以下のような中核的な機能を提供し、ITシステムの安定稼働と運用効率化に貢献します。

イベント管理: システムやアプリケーションから発生する様々なイベントを一元的に収集・監視し、異常発生を検知します。
モニタリング: サーバーやネットワーク、アプリケーションなどの性能情報や稼働状況を継続的に監視し、問題の早期発見や傾向分析を可能にします。
コンフィグレーション管理: IT資産の構成情報を管理し、変更追跡や現状把握を支援します。
ジョブスケジュール管理: 定型的なバッチ処理やスクリプト実行などを自動化し、スケジュールに基づいて正確かつ効率的に実行します。
パッケージ管理: ソフトウェアの配布やアップデートなどを効率的に実施します。
キャパシティ管理: システムリソースの使用状況を分析し、将来的なリソース需要を予測することで、適切なIT投資計画を支援します。

Senju Service Manager

ITサービスマネジメントの実現を支援する製品で、ITIL（Information Technology Infrastructure Library）フレームワークに基づいたサービスデスク機能を提供します。ユーザーからの問い合わせ対応から、より構造的なIT課題の解決までを支援します。

インシデント管理/サービス要求管理: ITサービスに関する障害（インシデント）や、ユーザーからの各種要求（サービス要求）を効率的に記録、追跡、解決します。
問題管理: 繰り返し発生するインシデントの根本原因を特定し、再発防止策を講じるプロセスを支援します。
変更管理/リリース管理: IT環境に加えられる変更を適切に評価、承認、計画、実行することで、サービスへの影響を最小限に抑えます。
構成管理: ITサービスの提供に必要なコンポーネント（CI: Configuration Item）とその関係性を管理し、正確なサービス構成情報を提供します。
ナレッジ管理: IT運用やサービスに関する知識（FAQ、トラブルシューティング情報など）を蓄積・共有し、自己解決や対応時間の短縮を促進します。
サービスレベル管理: 提供するITサービスの品質を定義し、合意したサービスレベル目標（SLO）の達成度を監視・報告します。

SaaS（Software as a Service）版も提供されており、クラウド経由での利用も可能です。

Senju Enterprise Navigator

大規模かつ複雑なエンタープライズ環境におけるIT運用を統合的に管理するための製品です。複数の運用ツールやソースからの情報を集約し、運用状況を横断的に可視化・分析することを可能にします。Viewエンジン、Hubエンジン、Ruleエンジンといったコンポーネントにより、柔軟なデータ連携や高度な分析・自動化基盤を提供します。Senju/EN ESPなどの関連コンポーネントも存在します。

ITIL導入フレームワーク

NRIは、これらのSenju製品群を効果的に組み合わせ、ITILに準拠したITサービスマネジメント体制を構築するためのフレームワークとして、「Senju Service Management Framework」を提供しています。これは、単にツールを提供するだけでなく、ITILのベストプラクティスに基づいた運用プロセスの設計・実装を支援するものです。

バージョン情報

製品は継続的に機能強化や改善が行われています。2023年2月時点における最新のメジャーバージョンは2022です。

市場における位置づけと競合

Senjuは、日本のIT運用管理市場において長い実績を持つ製品の一つです。同様の機能を提供する製品としては、日本国内外の主要ITベンダーが提供する様々なソリューションが挙げられます。代表的な競合製品には、IBMのTivoli、富士通のSystemwalker、NECのWebSAM、日立製作所のJP1といった国内ベンダー製品に加え、ヒューレット・パッカードのHP Softwareや、クラウドベースのサービスマネジメントプラットフォームであるServiceNow社のServiceNow、さらにはNTTデータのHinemosなどがあります。Senjuは、これらの製品群と競合しつつ、野村総合研究所による手厚いサポートや、日本の商習慣に合わせた機能提供などが強みとされています。

外部リンク

製品に関する詳細は、Senju Familyの製品サイトで確認できます。

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