南極観測船

南極観測船について

南極観測船とは、南極地域への物資の供給や、人員の派遣、さらには観測や実験を行うために設計された特殊な調査船です。これらの船は、南極の厳しい環境に合わせた高度な能力、特に砕氷性能が求められます。国際的な科学研究の場として重要な役割を果たすこれらの観測船が、世界中の国々によってどのように運用されているのかを見ていきましょう。

各国の南極観測船

日本の南極観測船

日本の南極調査の歴史は、明治時代にさかのぼります。当時、白瀬矗が率いる探検隊は、木造帆[[船]]「開南丸」によって南極に上陸し、調査を行いました。1957年から1962年までの間、初めての南極観測船は海上保安庁によって運用され、その後1965年からは海上自衛隊が担当しています。日本の観測船としては、次の4隻が主に南極地域への往復に用いられました：

1. 征海（宗谷）：1957年から1962年まで使用。もともとは日本海軍の特務艦として、第二次世界大戦前にソ連が発注した船でしたが、戦後は海上保安庁に転属されました。
2. ふじ：1965年から1983年まで運用されました。
3. しらせ（初代）：1983年から2008年まで使用。
4. しらせ（2代目）：2009年から現在まで活躍中です。

この他にも、2008年度にはオーストラリアの民間砕氷[[船]]「オーロラ・オーストラリス」が傭船され、作業を支援しました。

ロシアの南極観測船

ロシアでは、いくつかの観測船が運用されています。「レーニン」や「オビ」など、各艦船が南極での科学研究や物資補給の役割を果たしています。

アメリカの南極観測船

アメリカ沿岸警備隊は、科学研究を目的とした艦船を運用し、マクマード基地への物資供給に特化しています。2018年時点で、「ポーラシー」、「ポーラスター」、「ヒーリー」の3隻があり、特に「ヒーリー」は単独での砕氷と基地への補給が可能です。今後、2024年と2025年には新しい後継艦が就役する計画です。

オーストラリアの南極観測船

オーストラリア南極局（AAS）は、南極基地への物資供給を目的とした観測船を運用しています。「オーロラ・オーストラリス」は1990年から2020年まで使用され、現在は「ヌイーナ」が運用されています。

イギリスの南極観測船

英国南極調査局（BAS）により運用される観測船も存在します。「アーネスト・シャクルトン」や「ジェームズ・クラーク・ロス」などが活躍し、物資や人員の輸送を行ってきました。

ドイツの南極観測船

ドイツでは、アルフレート・ヴェーゲナー研究所（AWI）が南極における科学研究を行うための船、「ポーラーシュテルン」を1982年から運用しています。

南アフリカの南極観測船

南アフリカ環境観光省によって「アガラス」が運用され、南極および周辺島への人員と物資の輸送を担当しています。

アルゼンチンの南極観測船

アルゼンチン海軍が運用する「アルミランテ・イリサール」は、南極海での科学調査と基地への輸送を行っていました。

中国の南極観測船

中国も南極における科学調査の一環として、南北両極で活動する船を運用しています。特に「雪竜」は1993年から運用され、最新の「雪竜2」は2019年から活動しています。

韓国の南極観測船

韓国極地研究所（KOPRI）が運用する「アラオン」は、世宗基地との物資輸送を行う任務を担っています。

南極観測船は、世界各国の科学者たちにとって、大切な観測や研究の拠点となっており、国際協力の象徴でもあります。

もう一度検索