博多ステーションビル

株式会社博多ステーションビルの概要

株式会社博多ステーションビルは、福岡県福岡市に拠点を置き、不動産の賃貸や管理、そして商業施設の運営を行っている企業です。この会社は特に、博多駅の商業施設である「JR博多シティ」を運営することで知られています。また、博多ステーションビルという名称は、1963年から2007年にかけて運営されていた博多駅博多口の駅ビルの名称でもありました。

歴史的背景

博多駅の歴史は明治以降に始まりますが、1950年代に入ると当時の博多駅の容量が限界に達し、移転が決定されました。この新しい駅は、博多駅を現地点よりも南東へ約600メートルの場所に移すために、高架化が施されました。この移転に伴い、博多駅西側に新しい駅ビルが建設されることとなり、その運営管理を目的として1960年に設立されたのが「博多民衆駅設立準備委員会」です。この委員会が1961年に博多ステーションビルを設立し、以降、株式会社として現在に至るまで活動しています。

この会社の株主には国鉄や西日本鉄道、九州電力など、福岡地域で影響力のある企業が多く名を連ねています。博多市も4%の出資を行っており、地域資本の象徴でもあります。

開業から発展へ

博多ステーションビルは1963年12月1日に開業し、同時に商業施設もオープンしました。開業時には地階の食堂街（現在の博多1番街）や高架下の名店街（現:マイング博多駅名店街）が営業を開始し、1964年には地下街もオープンしました。駅ビルは地上7階、地下1階の構造で、多様なテナントを擁していました。

最初の核テナントとして入居していたのは、大光百貨店でしたが、売り上げが芳しくなく、開店からわずか4か月弱で撤退しました。その後、北九州市の井筒屋と連携して「博多井筒屋」を設立し、40年にわたって営業を続けました。駅ビル内には、ホテル「ホテルニューハカタ」が併設されていましたが、1976年には廃業し、百貨店のスペースとして活用されました。

近年の変遷

博多ステーションビルは、数度にわたるリニューアルを経て、2011年の九州新幹線全線開業に際して大きな転機を迎えます。老朽化したビルの全面改築が計画され、これに伴い2007年3月31日をもって博多ステーションビルはその役目を終えました。新しく建設された駅ビルは「JR博多シティ」と命名され、跡地には新たな商業空間が広がっています。

博多ステーションビルとしての法人は現在も存続しており、博多駅地下街や博多1番街、マイング博多駅名店街の運営を続けています。2023年には九州旅客鉄道が博多ステーションビルの株式を取得し、持分法適用会社化しました。

関連企業

博多ステーションビルには様々な関連企業が存在しています。株式会社JR博多シティは博多駅筑紫口の駅ビル「デイトス」などを運営しており、25%の出資を行っています。その他にも、博多バスターミナルや博多井筒屋、ホテルステーションプラザなどがあります。これらの企業との連携により、博多駅周辺は多様な商業活動が展開されています。

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