原信夫

原 信夫（はら のぶお） - 日本のジャズミュージシャン

原信夫は、1926年に樺太で生まれ、本名は塚原信夫。彼は富山県出身で、戦後の日本ジャズ界においてその名を広めたテナーサックス奏者である。
彼の家族は料理業を営んでおり、信夫は小学校の音楽教師の勧めで音楽に親しみコルネットを始めた。岩瀬尋常小学校卒業後、富山市の機械工業青年学校のブラスバンドに参加し、そこで初めてテナーサックスと出会った。
1943年には大日本帝國海軍軍楽隊に入隊。横浜海兵団に配属され、終戦まで海軍軍楽隊として活動。その後、富山へ帰郷するが、再び音楽の道を選び上京、ジャズの世界へと進出する。
最初は1950年に横浜のキャバレーにて活動していたバンド『ムーンライト』に参加。その後リーダーに昇格し、活動拠点を東京都品川区の在日アメリカ軍クラブへ移した。このタイミングで「原信夫」という芸名に変え、バンド名も『シャープス・アンド・フラッツ（♯&♭）』へと改名した。
彼はそばにいるアメリカ人から「ツカハラ」と呼ばれる際に発音に苦労され、名の変更のきっかけとなった。原は『シャープスアンドフラッツ』を率い、カウント・ベイシーとの共演や日本の有名ジャズミュージシャンたちとのコラボレーションを行っていく。
特に、彼は1963年から1969年までの『NHK紅白歌合戦』において紅組の演奏を担当したり、さまざまなNHK音楽番組において専属バンドとして活躍した。彼の作曲家としての才能も盛んで、美空ひばりを始めとする多くのアーティストに楽曲を提供している。
また、山口県豊浦町で開催された「マリンピアくろいジャズフェスティバル」では、構成や演出に関わった。1990年代からは、全国の学校ブラスバンド部への音楽指導も行うなど、次世代への支援も続けていた。
2001年には『シャープスアンドフラッツ』結成50周年のリサイタルを開催し、2008年に音楽活動の第一線から退くことを発表。その後、ファイナルコンサートツアーを行い、2010年に活動を終えた。予想外にも、2016年には復活コンサートが実現した。
彼は2021年6月21日に94歳で他界。音楽界での長いキャリアと卓越した才能は、多くの人々の記憶に残ることとなった。

主な作曲作品

• - 『笑顔と涙の遠い道』
• - 『真赤な太陽』
• - 『むらさきの夜明け』

（歌：美空ひばり）

• - 『古都』 （インストゥメンタル曲）

テレビとラジオの出演

• - 第14回から第25回NHK紅白歌合戦
• - ラジオ番組「わが人生に乾杯!」など

受賞歴

• - 南里文雄賞（1982年）
• - 芸術祭優秀賞（1983年）
• - 紫綬褒章（1988年）
• - 勲四等旭日小綬章（1998年）
• - 第38回日本レコード大賞功労賞（1996年）

彼の音楽は、今もなお多くの人々に影響を与え続けている。

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