双葉十三郎

双葉十三郎の生涯と業績

基本情報

双葉十三郎（ふたば じゅうざぶろう）は、1910年10月9日生まれで、2009年12月12日に亡くなった日本の映画評論家および翻訳家です。本名は小川一彦（おがわ かずひこ）で、ペンネームは小説『トム・ソーヤーの冒険』に由来しています。彼の名前には、映画に対する熱い情熱が込められています。

幼少期から学生時代

東京府で生まれた彼は、幼少期から映画に興味を持ち、映画館に通う日々を送りました。南長田中学校から東京帝国大学（現在の東京大学）に至る学生時代には、映画に関するノートを数十冊にもわたって書き留めていました。経済学部を選んだのは、父の強い意向によるものでしたが、彼の情熱は決して薄れることはありませんでした。

映画評論家への道

大学卒業後、住友本社に入社しながらも、映画評論の世界に足を踏み入れました。住友での仕事を経て、独立した評論家として活動を開始します。特に戦前の映画に対する深い知識を持っていた彼は、当時の映画やジャズに強い影響を受けていました。

テレビドラマへの貢献

戦後、テレビ草創期において彼は重要な役割を果たしました。最高視聴率を記録した連続ドラマ『日真名氏飛び出す』の原案者として知られ、その斬新なアイデアは多くの視聴者に受け入れられました。また、国産アニメの草創期にも関わり、アニメ『遊星少年パピイ』の原作者の一人として名を連ねています。

受賞歴と晩年

1985年には勲四等瑞宝章を受章し、2001年には菊池寛賞を受賞しました。彼の評論活動は高齢になっても続き、その影響力は衰えることがありませんでした。しかし、2008年には自身の健康状態に直面し、その後入院を余儀なくされました。2009年には体調不良を訴え、最終的に心不全で亡くなります。

影響力と関連作

彼の業績は、映画評論や翻訳の分野で多岐に渡りました。特にB級映画やSF・ホラー作品に対する評論は多くのファンに親しまれ、数十年にわたる評論が書籍としてまとめられています。彼は若い世代の評論家たちにも影響を与え、映画の楽しさを伝えるために尽力しました。

主な著作

彼の著作は多岐にわたり、映画に関する入門書や評論集が多数存在します。

• - 映画の魅力 (1947年)
• - アメリカ映画史 (1950年)
• - 女優デカメロン (1955年)
• - 映画の学校 (1973年)
• - 日本映画批判 (1992年)

彼の著作は今でも多くの人々に読まれており、映画に関する視点を深めるための貴重な資料となっています。

結論

双葉十三郎は長い生涯を通じて、映画界に多大な影響を与えてきました。彼の情熱、知識、そして評論は、今後も映画ファンに引き継がれていくことでしょう。彼の死去は映画評論界にとって大きな損失でありながら、彼の業績は永遠に語り継がれていくことでしょう。

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