古尓王

古尓王（こにおう）について

古尓王は、生年不詳で286年に亡くなった、日本の歴史における百済の第8代王です。彼の在位期間は234年から286年までの53年間にわたり、実際には第4代王の蓋婁王の次男にあたります。祖父にあたる仇首王が亡くなった際、その子である沙伴王が王位を継承しましたが、幼少ゆえに政治の実権を握ることができず、その後成人している古尓王が王位を引き継ぐことになりました。

治世の様子

古尓王の治世は、新羅との争いが多く見られました。彼は新羅との戦闘において、槐谷（現在の忠清北道槐山郡）や烽山（慶尚北道栄州市）を中心に交戦を繰り返しました。また、戦だけでなく、和平交渉にも積極的であり、使者を送り和親を図る姿勢がありました。

特に、246年の8月に、中国の魏の将軍毌丘倹が高句麗へ進攻した際には、高句麗の楽浪郡へも侵入して住民を略奪させる事件が起こりました。しかし、魏軍が他の地区に転進する可能性を恐れ、略奪した人々を解放することになりました。この治世の中でも特筆すべきエピソードとして、258年に靺鞨の酋長から贈物があり、古尓王はその使者に対して手厚いもてなしをしたことが挙げられます。

内政改革

古尓王は外敵との戦いを避けるための努力だけでなく、内政にも目を向けました。260年には、官制の整備を行い、佐平を設置し、その上に15の等級制を導入しました。このような官制改革は、百済の行政の効率化を意図していました。また262年には、官人による収賄や盗みを厳しく取り締まる布告を出し、罪を犯した者に対しては得たものの三倍を徴収し、生涯投獄するという厳罰を科す旨を伝えました。こうした施策を通じて、彼は国の秩序の維持や政治の浄化を試みました。

薨去とその後

286年の11月、古尓王は53年間の治世を経て、ついに薨去しました。その後、彼の埋葬地については詳細が伝わっていないため、歴史上の記録には乗っていないのが現状です。

古尓王の治世は百済の歴史における重要な一幕を形成し、彼の行った内政・外交政策は、当時の情勢を反映したものであり、さらに百済の後の発展に多大な影響を及ぼしました。彼の業績は後世に語り継がれ、その影響を今に伝えています。

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