台北市立動物園

台北市立動物園（木柵動物園）

台北市立動物園は、台湾の台北市文山区木柵に位置する市立動物園で、通称「木柵動物園」として知られています。その歴史は古く、日本統治時代の1914年（大正3年）に開園し、台湾で最も古い動物園です。当初は円山公園内にあり、「円山動物園」と呼ばれていました。

歴史

開園当初は円山公園内に位置していましたが、第二次世界大戦中には戦局悪化の影響を受け、1944年にはヒグマなどが、1945年にはライオンが殺処分されるという悲しい出来事もありました。その後、1986年に現在の場所に移転し、より広いスペースで動物たちが飼育されるようになりました。2016年には日本のよこはま動物園ズーラシアと友好協定を締結し、国際的な協力関係も築いています。また、2020年には外務大臣表彰を受賞するなど、その活動が広く認められています。

展示エリア

園内は、動物たちの生息環境に合わせて様々なエリアに分かれています。主なエリアとしては、台湾動物区、子ども動物区、熱帯雨林区、砂漠動物区、オーストラリア動物区、アフリカ動物区、温帯動物区などがあります。鳥園、コアラ館、ペンギン館、パンダ館、両生爬虫類館、昆虫館など、特定の動物に特化した施設も充実しています。

ジャイアントパンダ

特に注目されるのが、ジャイアントパンダの飼育です。実は、ジャイアントパンダの導入には政治的な背景がありました。民主進歩党の陳水扁政権時代には、台湾独立を掲げる同党の方針と、希少動物の国際取引を禁じるワシントン条約への抵触を理由に、パンダの受け入れは拒否されていました。しかし、中国国民党の馬英九政権が親中政策を推進したことにより、2008年12月にジャイアントパンダの「團團（トゥアントゥアン）」と「圓圓（ユェンユェン）」が中国から寄贈されることになりました。

このパンダの寄贈は、中国がパンダの移動を「国内移動」として扱おうとしたことや、それぞれの名前の頭文字を取った「團圓」という言葉が、中国主導の統一プロパガンダであると解釈されたことから、台湾独立派を中心に多くの反対の声が上がりました。しかし、パンダは多くの人々に愛され、2013年には人工授精によってメスの子供が誕生しました。残念ながら2022年11月19日に、オスの團團は18歳で亡くなりました。

その他情報

所在地：台湾台北市文山区新光路二段30号
アクセス：[台北捷運]文湖線動物園駅（BR01）
開園時間：9：00～17：00

台北市立動物園は、多様な動物たちの生態を学ぶことができるだけでなく、歴史や政治的な背景も感じられる、見どころ満載の動物園です。台北を訪れた際には、ぜひ足を運んでみてください。

関連情報

円山公園 (台北市)　（動物園の旧所在地）
* 台北市立動物園公式サイト

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