君のためなら千回でも

君のためなら千回でも

『君のためなら千回でも』（原題: The Kite Runner）は、アフガニスタン出身の作家カーレド・ホッセイニによる小説、およびそれを原作とした2007年のアメリカ映画です。小説は2003年にアメリカで出版され、日本では2006年に『カイト・ランナー』として翻訳されました。その後、映画公開に合わせて小説も『君のためなら千回でも』と改題され文庫化されました。このタイトルは、劇中の重要なセリフから取られています。

概要

原作小説は、全世界で800万部以上を売り上げたベストセラーであり、ニューヨーク・タイムズのベストセラーリストに64週間もランクインするという記録を打ち立てました。作者のカーレド・ホッセイニはこの作品でデビューを果たしました。映画はマーク・フォースター監督によって制作され、2007年に公開（日本では2008年）されました。第80回アカデミー賞では作曲賞にノミネートされています。

映画

あらすじ

1978年冬、アフガニスタンの首都カブール。12歳のアミールは、ハザーラ人の親友ハッサンといつも一緒に遊んでいました。アミールは裕福な家庭で育ちましたが、ハッサンはアミールの家の召使いとして働いていました。カブールでは恒例の凧合戦が開催され、アミールとハッサンは見事優勝します。しかし、凧を拾いに行ったハッサンは、パシュトゥーン人の少年アセフたちに襲われてしまいます。アミールはその現場を目撃しますが、怖くて何もできず、その場を去ってしまいます。この出来事をきっかけに二人の間には距離が生まれ、1979年のソ連のアフガニスタン侵攻を機に、アミールは父と共にアメリカへ亡命します。

2000年、アメリカのカリフォルニア州サンフランシスコ。アミールは作家としてデビューし、出版された本が届いた日に、パキスタンにいるラヒム・ハーンから電話を受けます。ラヒム・ハーンに会うため、アミールはパキスタンへ向かい、そこからタリバン政権下の故郷へと旅立つことになります。

キャスト

アミール（青年時代）：ハリド・アブダビ（日本語吹き替え：村治学）
アミール（少年時代）：ゼキリア・エブラヒミ（日本語吹き替え：津村まこと）
ハッサン（少年時代）：アフマド・ハーン・マフムードザダ（日本語吹き替え：矢島晶子）
ババ（アミールの父）：ホマユーン・エルシャディ（日本語吹き替え：谷口節）
ラヒム・ハーン（ババの友人）：ショーン・トーブ（日本語吹き替え：内田直哉）
ファリド（タクシードライバー）：サイード・タグマウイ
ソーラブ（ハッサンの息子）：アリ・ダネシュ・バクティアリ（日本語吹き替え：松元惠）
ソラヤ（アミールの妻）：アトッサ・レオーニ（日本語吹き替え：若原美紀）
アリ（ハッサンの父）：ナビ・ターナ
タヘリ将軍（ソラヤの父）：アブドゥル・カディール・ファロク
アセフ（青年時代）：アブドゥル・サラム・ユスフザイ
アセフ（少年時代）：エラーム・エーサス

キャスティングについて

監督は、アミール、ハッサン、ソーラブを演じる俳優に、アフガニスタンの文化や歴史を深く理解している人物を起用したいと考え、現地で1ヶ月に及ぶオーディションを行いました。スタッフは、学校だけでなく、孤児院や荒廃した場所にも足を運びました。アミール役のゼキリア・エブラヒミはリセで、ハッサン役のアフマド・ハーンとソーラブ役のアリ・ダネシュとは、アフガン救援機構を通じて出会ったそうです。彼らは皆、この作品が俳優デビュー作となりました。

受賞

放送映画批評家協会賞：若手男優賞（アフマド・ハーン・マフムードザダ）

脚注

関連項目

ワズィール・アクバル・ハーン (カーブル) - 序盤の舞台となった実在の地区

外部リンク

Khaled Hosseini - 原作者カーレド・ホッセイニの公式サイト（英語）
～ 君のためなら千回でも ～ - 映画公式サイト
The Kite Runner Movie - Official Site - 映画公式サイト（英語）
The Kite Runner (2007) - About the Movie | Amblin（英語）
The Kite Runner | Participant（英語）
君のためなら千回でも - allcinema
君のためなら千回でも - KINENOTE
The Kite Runner - オールムービー（英語）
* The Kite Runner - IMDb（英語）

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