呼人駅

呼人駅：網走湖畔に佇む静かな駅

北海道網走市字呼人にあるJR北海道石北本線の呼人駅は、網走湖のほとりに位置する無人駅です。1923年（大正12年）9月1日の網走線開業と同時に誕生し、以来、地域住民の足として、そして網走への玄関口として長く親しまれてきました。

歴史を刻む駅舎

当初は一般駅として開業しましたが、時代の流れとともに変化を遂げてきました。1974年には貨物取扱いを、1983年には荷物取扱いをそれぞれ廃止。同年、CTC化に伴い無人駅となりました。その後、1987年には国鉄分割民営化によりJR北海道へと引き継がれ、現在に至ります。駅名の由来は、アイヌ語の「イオピト（i-opi-to）」に由来すると言われています。これは「それを・捨て去った・沼」を意味し、網走湖の形状に由来する説が有力です。

駅の構造と周辺環境

呼人駅は、2面2線の相対式ホームを有する地上駅です。ホーム間の移動は跨線橋を利用します。無人駅であるため、駅舎は簡素ながらも清潔に保たれ、温かみのある佇まいを見せています。駅周辺には、国道39号、網走警察署呼人駐在所、呼人郵便局といった公共施設のほか、網走湖畔温泉や網走スポーツトレーニングフィールドなどの観光・レジャー施設も点在しています。また、地元の呼人小中学校やオホーツクシマリス公園も近隣にあり、地域住民の生活と密着した存在となっています。網走バスの停留所も駅前にあり、周辺地域へのアクセスも容易です。

利用状況とアクセス

年間の乗車人員は変動がありますが、地域住民や観光客の利用があり、安定した利用状況を保っています。駅へのアクセスは、JR石北本線を利用するのが便利です。女満別駅から網走駅へ向かう列車が停車します。網走市街地へは、バスやタクシーを利用することでアクセス可能です。

文化との繋がり

呼人駅は、地元に根付いた文化とも深く関わっています。2010年には、演歌歌手走裕介さんが「呼人駅」という楽曲を発表。この楽曲は、地元の人々の温かさと、故郷への想いを歌ったもので、地域住民の心を掴んでいます。また、1969年頃の呼人駅周辺の様子は、永山則夫を題材にした映画『略称・連続射殺魔』にも描かれており、歴史的にも重要な場所となっています。

まとめ

呼人駅は、静かな網走湖畔に佇む、歴史と文化が息づく駅です。無人駅ではありますが、地域住民の生活に密着し、観光客にとっても網走観光の拠点として貴重な存在となっています。周辺の自然や観光施設と合わせて、ゆっくりと時間をかけて訪れてみるのも良いでしょう。網走湖の穏やかな風景と、歴史を感じさせる駅舎の調和は、きっと心に残る旅の思い出となるはずです。

もう一度検索