国会開会式

国会開会式の概要

国会開会式（こっかいかいかいしき）は、日本の国会が召集される際に行われる記念の式典であり、正式には「開会式」と呼ばれています。この式典は、国事行為として天皇やその名代が臨席し、衆議院議長が主宰します。

開会式の開催場所と日時

開会式は、参議院本会議場で行われることが伝統的で、日時や場所は衆参両院の議長間で協議されて決められます。ただし、法律や規則で定められているわけではなく、必ずしも召集当日に開催される必要はありません。過去には、開会式が召集の翌日や、特定の理由により行われなかった場合もあります。

帝国議会との違い

帝国議会の時代と異なり、現在の開会式は、開会に際して内閣総理大臣の施政方針演説や所信表明演説が行われることもあります。開会式は、議会の初日と位置づけられており、この日から議会は正式に権能を持つこととなります。

玉座と席

国会議事堂は1936年に竣工され、開会式は参議院本会議場で行われます。議場には天皇のための玉座が設置され、ここに天皇が着座することになります。衆議院議員と参議院議員は参議院本会議場に集まり、席に入れない議員は2階席に移動することもあります。傍聴席は一般人のために設けられていないため、式典中は参列者のみが参加可能です。

開会式の進行

開会式が始まると、天皇は閣僚席の後方から入場し、「お席」前の階段を上ります。その後、衆議院議長が式辞を述べ、天皇が「おことば」を述べます。この「おことば」は、天皇の公的行為として国政に関する権能を持たない立場から発表され、一貫して同じ内容となります。この際、特注の手すきの紙に書かれた文書が用意され、昇殿した宮内庁の文書専門員によって毛筆で書かれます。

特異な事情

議長が「おことば書」を受け取った後の所作、「カニの横ばい」と呼ばれる姿勢は、身体的に困難な場合もあり、歴史的に幾度かの出来事が起こっています。例えば、1948年には初代参議院副議長が礼式を拒否した事件があり、また、体調不良により議長職を辞任した例もあるなど、開会式には様々な背景があります。

現代の参列者と批判

開会式には両院の議員だけでなく、非議員の国務大臣や最高裁判所長官も参加します。特に日本共産党の議員は、天皇の公的な発言が憲法に抵触するとして長らく参列を拒否してきましたが、最近では一部の議員が出席するようになっています。

終了の儀式

開会式の終了は、天皇が入場したのと同様の扉から再度退出することによって行われます。これにより、全体の儀式が完了し、国会が正式にその会期を開始します。

国会開会式は、日本の政治文化と歴史に深く根ざした重要な儀式であり、今もなおその伝統が受け継がれています。

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