国立公文書館

国立公文書館の概要

国立公文書館は、国内の歴史的資料や公文書を適切に保存し、一般に利用できる形で公開することを目的とした独立行政法人です。内閣府の管轄下にあり、すべての職員が国家公務員として運営されています。公文書館では、明治時代から現在に至るまでの重要な公文書を約60万冊所蔵しており、旧内閣文庫の資料も合わせて約53万冊を扱っています。これらの資料は利用者が閲覧できるようにするために、閲覧室や常設展、特別展示などで公開されています。

沿革

国立公文書館の設立は1971年にさかのぼります。それまでは各官庁が独自に公文書を保管していましたが、中央集中的な管理を行うため、内閣文庫の所蔵資料が公文書館に移管されました。江戸幕府以来の古文書も含むこの蔵書が集約され、後に国立公文書館法に基づいて2001年に独立行政法人化されたのです。公文書の管理体制が諸外国に比べて遅れているとの指摘を受け、2007年には体制の強化が要請されています。

1998年には茨城県つくば市に分館が設立され、アジア歴史資料センターが2001年に開設されました。このセンターでは、デジタルアーカイブを通じてアジアの歴史的資料を提供しており、直接の閲覧室は持っていません。2016年には、新国立公文書館が憲政記念館敷地内に建設されることが決定しました。

所蔵資料

国立公文書館は、官庁から移管された公文書を中心に、さまざまな資料を所蔵しています。公文書には、政府の記録や法律、政令の原本が含まれており、一部は公開制限が掛けられています。また、外交関係の文書については別の専門機関が所蔵しており、皇室に関する公文書も宮内庁で別途管理されています。

さらに、内閣文庫では江戸城の文書や太政官の公文書、そして外国からの寄贈資料も多数が集められています。ここには、著名な政治家の持ち物や歴史的価値のある文書が含まれており、これらは研究資料としても貴重なものとなっています。

交通と位置

国立公文書館は東京都千代田区北の丸公園に位置し、アクセスは非常に便利です。最寄りの竹橋駅からは徒歩5分で到着することができます。交通の要所にあるため、利用者は簡単に訪れることができます。

重要文化財

独立行政法人国立公文書館が所有する重要文化財も数多く存在します。代表的な資料には、『本朝続文粋』や『全相平話』など、平安時代や元時代に作成された文書が含まれます。これらは日本の文学史や文化の理解にとって重要な役割を果たしています。特に、『本朝続文粋』は現存する最古の写本で、多くの希少な漢詩文が保存されています。

まとめ

国立公文書館は、日本の歴史的な公文書や貴重な資料を保管し、一般に公開するための重要な機関であり、国民にとっての重要なリソースです。公文書の管理と保存が強化されることで、今後ますますその役割が期待されていくことでしょう。

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