壱岐市立一支国博物館

壱岐市立一支国博物館

壱岐市立一支国博物館は、長崎県壱岐市に位置する博物館です。この博物館は、近隣に存在する「魏志倭人伝」にも記述された一支国の王都跡、「原の辻遺跡」や、壱岐島内の様々な遺跡から出土した貴重な資料や出土品を収蔵・展示しています。

概要

開館: 2010年（平成22年）3月14日
設置者: 長崎県、壱岐市（共同建設）
設計者: 黒川紀章建築都市設計事務所

建物の特徴

博物館の建物は、鉄筋コンクリート造の地上4階・地下1階建てで、延べ床面積は約7,800平方メートル、敷地面積は約18,600平方メートルです。特筆すべきは、弥生時代の地形を模した起伏のある屋根で、その上には芝生が張られています。

運営

博物館の運営は、指定管理者である乃村工藝社に委託されています。

長崎県埋蔵文化財センター

博物館の1階部分には、長崎県埋蔵文化財センターが併設されています。ここは、長崎県全体の考古学研究の拠点として整備され、特に壱岐島内に数多く存在する歴史遺産（原の辻遺跡など）の研究に力を入れています。全国でも初となる離島への設置という点も特徴です。

センター内には、模擬発掘などの体験型学習を通じて考古学を学べる「キッズこうこがく研究所」や、発掘品の整理作業を見学できる観察路、そして全国の同種施設では初の試みとなるオープンタイプの収蔵庫があります。これにより、研究拠点としての機能だけでなく、一般の人々が考古学への関心を深めることができるようになっています。

また、長崎県立壱岐高等学校の東アジア歴史中国語コースへの支援活動も行っており、歴史学専攻の学生は奈良大学主催の全国高校生歴史フォーラムで上位入賞を果たすなど、教育面でも貢献しています。

主な展示品

博物館には、以下の重要な文化財が展示されています。

重要文化財（国指定）
原の辻遺跡出土品（弥生時代）
双六古墳出土品（古墳時代）
金銅製単鳳環頭大刀柄頭
笹塚古墳出土品（古墳時代）
金銅製杏葉
金銅製辻金具
金銅製雲珠
金銅製轡
金銅亀形飾金具
高麗版大般若経（高麗初雕本）安国寺蔵 高麗時代
壱岐市指定文化財
4165枚の銅銭が入れられた壺（中世～近世）

利用情報

開館時間: 8:45～17:30
休館日: 毎週月曜日（GW中と祝日は開館、月曜日が祝日の場合は翌日休館）、12月29日～31日
入館料: 一般400円、高校生300円、小中学生200円（壱岐市民は一般300円、高校生以下無料、団体割引あり）

アクセス

島内アクセス: 壱岐交通「一支国博物館」バス停（一部路線バスが経由）。印通寺港から車で10分、郷ノ浦港・芦辺港から車で20分、壱岐空港から車で10分。
壱岐へのアクセス: 博多港からジェットフォイルで郷ノ浦港へ1時間10分、芦辺港へ1時間5分。博多港からカーフェリーで郷ノ浦港へ2時間20分、芦辺港へ2時間10分。唐津東港からカーフェリーで印通寺港へ1時間40分。

周辺情報

原の辻遺跡
原の辻ガイダンス
安国寺
* 長崎県道23号勝本石田線

壱岐市立一支国博物館は、一支国の歴史と文化に触れることができる貴重な場所です。ぜひ一度、足を運んでみてください。

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