多賀大社前駅

多賀大社前駅：近江鉄道の終着駅と、多賀町の玄関口

多賀大社前駅は、滋賀県犬上郡多賀町に位置する近江鉄道多賀線の終着駅です。駅番号はOR09。その名の通り、多賀大社への最寄り駅として、多くの参拝客や観光客で賑わいをみせる場所でもあります。古くからの歴史と、近年の発展が調和した、魅力的な駅舎と周辺環境が特徴です。

多賀大社前駅の歴史：1914年から続く、町の発展と共に歩んできた軌跡

1914年（大正3年）、近江鉄道多賀線の高宮駅―多賀駅間開業と同時に「多賀駅」として誕生しました。当初はセメント工場やビール工場への貨物輸送も担い、地域の産業発展に大きく貢献しました。1998年（平成10年）には現在の駅名「多賀大社前駅」に改称され、2002年にはコミュニティハウスを併設した駅舎に改築。2010年には無人駅となりましたが、初詣シーズンなど需要の高い時期には臨時で窓口営業が行われます。2020年には台湾の万華駅と姉妹駅協定を締結するなど、国際交流にも積極的に取り組んでいます。

駅構造と利用状況：頭端式ホーム3面2線の、コンパクトで機能的な駅舎

多賀大社前駅は、頭端式ホーム3面2線を有する地上駅です。駅舎内にはコミュニティハウスが併設されており、地域住民の交流拠点としての役割も果たしています。無人駅ですが、改札口や窓口が設置され、必要に応じて臨時で対応する体制が整えられています。かつてはセメント工場やビール工場への専用線も敷設されていましたが、現在は廃止されています。

駅周辺：多賀大社の門前町と、穏やかな田園風景

駅周辺は、田園風景の中に住宅地が点在する、落ち着いた雰囲気のエリアです。駅の目の前には多賀大社の大鳥居が建ち、そこから続く門前町には、糸切餅などの名物や、飲食店、喫茶店などが軒を連ねています。静かでゆったりとした時間が流れ、多賀大社の神聖な雰囲気と調和した、魅力的な景観が広がっています。

アクセス：湖国バスとデマンドタクシーで、多賀町内を便利に移動

多賀大社前駅には、湖国バスと愛のりタクシー（デマンドタクシー）の停留所があります。湖国バスは、彦根駅や南彦根駅西口方面への路線が運行されていますが、本数は少ないです。一方、駅裏側の停留所からは、より多くの便数が運行されているため、利用状況に応じて使い分けることが可能です。

隣の駅

近江鉄道多賀線

多賀大社前駅：多賀町の玄関口として、これからも発展を続ける駅

多賀大社前駅は、単なる鉄道駅としてだけでなく、多賀町の玄関口、そして地域住民の交流拠点として重要な役割を担っています。歴史と現代が融合した独特の雰囲気と、静かで穏やかな周辺環境は、多くの観光客を魅了し続けています。これからも、多賀町の発展と共に、この駅がますます賑わっていくことを期待しています。

参考文献

『週刊歴史でめぐる鉄道全路線 公営鉄道・私鉄 29 近江鉄道/信楽高原鐡道/伊賀鉄道/養老鉄道』朝日新聞出版、2011年10月9日
寺田裕一『改訂新版 データブック日本の私鉄』ネコ・パブリッシング、2013年1月19日

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