大修館書店

株式会社大修館書店とは

株式会社大修館書店（たいしゅうかんしょてん）は、日本の出版社で、特に辞典や教科書、参考書の刊行で知られています。1918年に設立されたこの会社は、文部科学省の検定を受けた教科書を発行するなど、教育分野において高い評価を受けています。

設立の歴史

大修館書店は、鈴木一平によって設立されました。社名の由来は、鈴木が修行していた修学堂書店と、そこの主人が以前に勤務していた大倉書店の出版方針を参考にしたと言われています。このように、出版社の背後には歴史や人々の影響が色濃く見えることがわかります。

出版物と教科書

この出版社は、特に高等学校向けの教科書に力を入れており、保健体育、英語、家庭、国語の4教科を発行しています。また、教科書の発行者番号は50であり、これは日本国内で一定の信頼を得ている証でもあります。

大修館書店は、漢文や言語学の分野においても強みを持っており、かつては月刊『言語』や『しにか』といった専門誌を発行していました。『言語』は言語学に関する多くの論文を取り上げ、学界において重要な役割を果たしましたが、2010年には休刊に至りました。

辞典の発展

特に著名なのは、諸橋轍次が編著した『大漢和辞典』や、実用的な辞典として知られる『英語動詞句活用辞典』や『前置詞中心英語表現辞典』です。これらは語法や英文法に力を注いだ結果、広く利用されています。また、英和辞典では『スタンダード英和辞典』から、現在は『ジーニアス英和大辞典』及び普及版が出ており、その取り組みは評価されています。さらに、国語辞典では『明鏡国語辞典』が有名で、ここからベストセラーとなった『問題な日本語』も生まれました。

教育への貢献

大修館書店は教育に密接な関連があり、スポーツ指導や文化教育などさまざまな分野で専門書を刊行しています。水泳やゴルフ、バスケットボールに関する指導書など、多岐にわたる知識提供を行なっています。

創業者一族

創業者の鈴木一平の一族には、日本銀行の理事や衆議院議員を務めた経済学者鈴木淑夫や、中央大学でフランス文学の教授を務めた鈴木康司など、教養と緻密な知識に裏打ちされた人物が名を連ねています。

不祥事とその影響

しかし、2016年には大修館書店の英語教科書に関する不祥事が発生しました。5つの都府県の高校14校に対し、同社が多くの無償の英語副教材を提供していたことが明らかになり、社長が謝罪し業界団体の教科書協会の会長を辞任する意向を示しました。この問題は、大修館書店にとって信頼回復の課題となるでしょう。

結論

大修館書店は、日本の教育と出版界において長い歴史を有し、特に辞典や教科書の分野で高い評価を受けています。その影響力は今もなお多岐にわたりますが、過去の不祥事がどのように影響するかも注視されるべきでしょう。

もう一度検索