大塚豊

大塚 豊

元プロ野球選手（投手）の大塚豊（おおつか ゆたか）氏は、1987年12月20日に東京都江戸川区で生まれました。右投げ右打ちで、現役引退後は北海道日本ハムファイターズのベースボールアカデミーコーチを務めています。

経歴

アマチュア時代

野球との出会いは小学6年時、江戸川南リトルリーグに入団したことでした。当時は捕手としてプレーし、2000年の全日本選抜大会では3番打者としてもチームを優勝に導く活躍を見せます。中学では江戸川南シニアで内野手兼投手を務め、クリーンアップを任される存在となりました。高校は、シニアの先輩である小谷野栄一氏や高口隆行氏（後に巨人でもプレー）と同じ創価高等学校に進学します。

創価大学へ進むと、その才能がさらに開花します。リーグ戦では1年生ながら最優秀新人賞と最優秀投手賞を獲得。その後も安定した投球を続け、最悪の防御率でも2.02、それ以外は常に0点台から1点台前半という驚異的な数字を残しました。先輩である八木智哉氏が持っていたリーグ連勝記録を更新する23連勝を含む、通算41勝1敗という圧倒的な勝敗記録を樹立。大学在籍中に最優秀投手賞を3度、ベストナインとMVPをそれぞれ4度、最多勝を6度獲得するなど、大学球界を代表する投手として名を馳せました。

プロ入り

大学での輝かしい実績が評価され、2009年のプロ野球ドラフト会議において、北海道日本ハムファイターズから2位で指名を受け、入団に至りました。即戦力として大きな期待が寄せられていました。

日本ハム時代

プロ入り前からの肘の痛みが予想以上に深刻だったため、ルーキーイヤーの2010年はシーズン開幕前の3月15日にトミー・ジョン手術を受けることとなり、一年間を通して二軍での登板も叶いませんでした。手術からの回復を経て、2011年には二軍戦で中継ぎとして実戦復帰を果たし、シーズン中盤からは先発も務めるようになります。同年7月9日には東北楽天ゴールデンイーグルス戦で待望の一軍初登板を果たしました。

しかし、怪我の影響もあり、その後も順調な歩みとはなりませんでした。2012年は一軍登板なしに終わり、2013年には中継ぎとして8試合に登板したものの、防御率は4点台と安定感を欠きました。転機となったのは2014年です。同年7月3日の埼玉西武ライオンズ戦でプロ入り後初となる勝利を挙げ、この年は14試合に登板し、1勝2ホールドを記録しました。その後は再び一軍での登板機会が減少し、2016年にはついに一軍での登板がないまま、10月1日に球団から戦力外通告を受けます。同年12月2日付けで自由契約選手として公示され、プロ野球選手としてのキャリアに終止符を打ちました。

選手としての特徴・人物

投手としてのフォームは、やや下半身に硬さが見られる特徴がありました。ストレートの最速は144km/hを計測しましたが、通常は130km/h後半で投じられることが多かったです。変化球は多彩で、スライダー、カーブ、チェンジアップ、シュートに加え、高校時代に独自に編み出したという3種類のフォークボールを操りました。特にフォークボールは最大の武器であり、状況に応じてストライクを取る球、大きく落ちて空振りを奪う球など、3種類の落差や速度を使い分けました。雑誌のインタビューでは、フォークを連続で何球でも投げられる自信があるとコメントしています。

プライベートなエピソードとしては、中学・高校・大学と、プロでも活躍した小谷野栄一氏、そして高口隆行氏と全く同じ学校経由でプロ入りを果たしている点が挙げられます。

引退後

プロ野球選手としてのキャリアを終えた後は、古巣である北海道日本ハムファイターズのベースボールアカデミーコーチとして、野球を通じた地域貢献や次世代の育成に携わっています。

詳細情報

記録

初登板：2011年7月9日、対東北楽天ゴールデンイーグルス6回戦（旭川スタルヒン球場）
初奪三振：同上
初先発登板：2011年9月1日、対千葉ロッテマリーンズ18回戦（QVCマリンフィールド）
初ホールド：2014年6月22日、対広島東洋カープ2回戦（MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島）
初勝利：2014年7月3日、対埼玉西武ライオンズ11回戦（埼玉県営大宮公園野球場）

背番号

14（2010年 - 2015年）
* 54（2016年）

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