大嶽部屋

大嶽部屋の歴史と進化

概要

大嶽部屋は日本相撲協会に所属する二所ノ関一門の相撲部屋であり、元横綱大鵬が創設した歴史的な背景を持ちます。部屋の設立から現在に至るまで、多くの力士たちがここから育ち、相撲界にその名を刻んできました。

大鵬部屋の誕生

1969年5月場所で、横綱・大鵬が史上初の30回目の優勝を果たしました。この功績を称えられた大鵬は、同年9月に一代年寄「大鵬」を襲名し、1971年には十数名の内弟子を連れて二所ノ関部屋から独立し、大鵬部屋を設立しました。設立にあたり、大鵬は当時の金額で約2500万円もの資金を投入し、新しい稽古場を整備しました。しかし二所ノ関部屋の方は、大鵬の独立について複雑な思いを抱いていたものの、他の関係者の説得によって最終的には納得したとされています。

部屋の発展

大鵬部屋の設立後、入門希望者が急増し、力士数は最大で50人に達しました。当初、この部屋では「忍」という字が掲額として掲げられており、これは大鵬が生涯を通じて大切にしてきた精神を象徴しています。

1977年に大鵬が脳梗塞で倒れた後は、関脇・巨砲や前頭2枚目・嗣子鵬といった力士が活躍し部屋の勢力を維持しました。さらに、親方が不在となった際には、他の部屋から親方が移籍し大鵬をサポートする体制が整いました。

大嶽部屋への改名

2004年、大鵬が退職し、貴闘力が16代大嶽を襲名したことで部屋名は大嶽部屋へと改称されました。この変化は新たなスタートを意味し、以後も力士の育成や部屋の発展に努めています。

初の関取としてロシア出身の露鵬が昇進し、部屋は新たな幕開けを迎えました。しかし、2010年には、大嶽部屋にとって忘れがたい出来事が発生します。貴乃花が独立候補として理事選に立候補し、二所ノ関一門を離脱することになりました。これにより、部屋は一時的に孤立したものの、貴乃花グループへ参加することになります。

不祥事とその影響

大嶽部屋にとって、多くの功績がある一方で、不祥事も相次ぎました。2008年には露鵬が大麻所持で問題となり、警視庁からの捜索を受け、部屋全体が大きなダメージを受けました。さらに、2010年には野球賭博問題により16代大嶽が捜索されたり、2018年には大砂嵐が無免許運転の事故を起こすなど、さまざまな事件が続出しました。これに伴い、師匠の17代大嶽も厳しい処分を受ける羽目となりました。

現在の状況

大嶽部屋は東京都江東区に位置し、清澄白河駅から徒歩数分の立地にあります。現在の師匠は17代大嶽忠博で、現役の力士として王鵬幸之介などが在籍しています。部屋の正面には「大嶽部屋」と「大鵬道場」の標識が掲げられており、伝統と新たな姿勢を併せ持つ部屋として相撲界での存在感を示しています。今後も多くの力士たちがこの部屋から誕生し、日本相撲の発展に寄与していくことでしょう。

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