大幸薬品

大幸薬品株式会社の概要

大幸薬品株式会社（たいこうやくひん）は、大阪府吹田市内本町に本店を持ち、大阪市西区に本社事務所を置く製薬会社です。JPX日経中小型株指数の構成銘柄に名を連ねており、幅広く事業を展開しています。

事業内容

大幸薬品は、主に「胃腸薬・正露丸」を中心とした商品の登録商標権を保有しており、社章には「ラッパのマーク」が使われています。正露丸をはじめ、ピシャット錠などの医薬品を製造し、国内外に販売しています。また、樋屋製薬が製造する「樋屋奇応丸」の国内販売権も持っていますが、医療用医薬品には参入していません。

会社の歴史は1940年にさかのぼり、柴田音治郎が柴田製薬所を設立したことに始まります。1946年には「忠勇征露丸」の製造販売権を引き継ぎ、同年に大幸薬品株式会社を設立し、本格的に正露丸の販売を開始しました。非上場会社として長い間運営されていましたが、2009年には東京証券取引所2部に上場し、翌年には1部に指定替えされました。当社は、企業活動においても積極的に多方面との連携を図り、2016年にはアース製薬との資本業務提携を締結しています。

製品開発と市場反応

2022年には業績の悪化に伴い、社員の1割強に当たる人数の希望退職者を募ることを発表し、厳しい経営状況が注目されました。特にクレベリンの販売不振が影響し、連結決算において約17億円の最終赤字を計上する事態となりました。

正露丸の歴史

正露丸の起源は1830年に遡ります。ドイツの化学者であるカール・ライヘンバッハが木クレオソートを蒸留し、殺菌効果を期待して内服薬として利用されるようになったことが始まりです。1839年には日本に導入され、1902年には大阪の薬商が「忠勇征露丸」として販売を開始しました。帝国陸軍でも日露戦争時に全軍に配布されるなど、大変な人気を博しました。戦後、大幸薬品が正露丸の製造販売権を取得して以来、その地位は揺るぎないものとなっています。

ロゴとマーケティング

大幸薬品のロゴマークは、1902年の発売当初に地球儀を模したものでしたが、1969年には現在の「ラッパのマーク」に変更されました。マーケティング面でも、60年以上にわたってラッパのメロディを使用したCMが放送されており、視聴者に親しまれています。近年では、森高千里を起用した正露丸のCMが話題を呼んでいます。

新たな事業展開

2006年からは感染管理事業として、二酸化塩素を用いた除菌消臭製品の開発にも力を入れています。特許技術を活用した製品は、様々な用途に対応したラインナップを持ちますが、消費者庁から効果に関する処分を受けるなど課題も多いです。

結論

大幸薬品株式会社は、日本の伝統的な製薬会社として、正露丸をはじめとする多様な商品を提供しています。多岐にわたる研究開発と市場調査、厳しい競争環境の中で生き残りを図るために、今後も新たなサービスや製品の開発が期待されます。

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