大野和士

大野 和士（おおの かずし）

大野和士は1960年3月4日に東京都で生まれた、日本を代表する指揮者です。彼は新国立劇場オペラの芸術監督として、また東京都交響楽団、バルセロナ交響楽団など、多くの音楽団体でも音楽監督を務めており、2022年9月からはブリュッセル・フィルハーモニックの音楽監督に就任しています。

生い立ち

幼少期から音楽に親しみ、幼稚園の卒園文集には指揮者になることを書いていました。小学生の頃に神奈川県横浜市に移り住み、神奈川県立湘南高等学校を卒業後、東京芸術大学の指揮科に入学しました。安藤久義にピアノと作曲を、遠藤雅古に指揮を師事し、学生の頃にはテレビ番組「オーケストラがやってきた」のオーディションで、プロのオーケストラを指揮する機会を得ました。この経験が彼にとって非常に重要なものであり、以後のキャリアに大きな影響を与えることとなります。卒業後、25歳の時に欧州に渡り、バイエルン国立歌劇場でプロの指揮者として活動を始めました。

指揮者としてのキャリア

1987年にアルトゥーロ・トスカニーニ国際指揮者コンクールでの優勝後、1988年にはザグレブ・フィルハーモニーの常任指揮者に就任しました。その後、音楽監督としても活躍し、1996年までその職を全うしました。1996年からはカールスルーエ・バーデン州立歌劇場の音楽総監督を務め、2002年からはベルギー王立歌劇場の音楽監督に就任しました。これらの活動を通じてinternationalな舞台での経験を積み、2007年にはメトロポリタン歌劇場でヴェルディの『アイーダ』を指揮し、アメリカデビューを果たしました。

2012年からはパルマのアルトゥーロ・トスカニーニ・フィルハーモニー管弦楽団の首席客演指揮者としても活動し、国内外の多くのオーケストラでの指揮を行っています。また、2015年からは東京都交響楽団の音楽監督を務め、この役割においても多くの業績を上げています。2016年には新国立劇場オペラの参与に就任し、2018年には同劇場の芸術監督に選任され、2022年にはブリュッセル・フィルハーモニック音楽監督に就任しました。

家族・受賞歴

大野和士は、国際政治を扱うジャーナリストでエッセイストの妻、大野ゆり子と結婚しています。音楽業界でのキャリアだけでなく、数多くの賞を受賞しています。中でも、1982年の民音コンクール第2位や1996年のスタジオリポートドキュメンタリーの作品が評価され、文化庁芸術祭大賞も受賞しています。

彼はまた、数々のフランスや日本の名誉ある賞を受賞しており、2010年には文化功労者に選ばれ、2017年にはフランス共和国の芸術文化勲章オフィシエを受章しました。

出演

大野和士は、NHK BSPの特別番組「ガウディの遺言 〜サグラダ・ファミリア100年の夢〜」に出演したこともあります。

音楽界における大野和士の貢献は計り知れず、彼の指揮した作品は多くの観客に感動を与え続けています。

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