天塩中川駅

天塩中川駅：北海道北部の交通拠点と町の交流プラザ

天塩中川駅は、北海道中川郡中川町に位置するJR北海道宗谷本線の駅です。特急列車「宗谷」と「サロベツ」を含む全列車が停車するため、地域住民の生活を支える重要な交通拠点となっています。駅舎は町のシンボルとして親しまれ、周辺には役場や学校、商店などが集積しており、中川町の活性化に貢献しています。

歴史：誉平駅から天塩中川駅へ

天塩中川駅の歴史は、1922年（大正11年）11月8日に天塩線音威子府駅～中川町間が開通したことに始まります。当初は「誉平駅」として開業しました。その後、路線名の変更や延伸、そして1951年（昭和26年）7月20日に現在の「天塩中川駅」へと改名されました。駅名の由来は、旧駅名「誉平」がアイヌ語の地名に由来し、現在の地名や温泉名にもその名残が見られます。改名に至った背景には、既存駅との重複や地名とのずれがありました。

開業以来、幾度かの改修を経て、現在の駅舎は1953年（昭和28年）に完成。2014年（平成26年）には中川町がJR北海道から駅舎を譲り受け、地元産のトドマツ材を用いた改修工事が行われました。改修工事では、地元産材の使用やバリアフリー化など、地域住民にとって使いやすい駅を目指しました。改修後、待合室横の旧駅事務室は「中川町交流プラザ」として生まれ変わり、町民の交流拠点となっています。

貨物取扱いは1982年（昭和57年）に廃止され、その後、駅員無配置化を経て、現在は完全無人駅となっています。かつては駅長が配置されていた時期もありましたが、現在では、乗車券類は駅前のJA北はるか中川支所で委託販売されています。

駅構造と周辺環境

天塩中川駅は相対式ホーム2面2線の地上駅で、列車交換が可能です。稚内方に向かって左手に駅舎が位置し、ホーム間は構内踏切で結ばれています。駅舎は1番線ホームに接しており、1番線は上下列車の両方、2番線は上り列車のみ発着可能です。かつては複数の側線も存在していましたが、現在は撤去されています。

駅周辺は天塩川右岸に広がる中川町の中心部に位置し、駅前には商店や住宅が立ち並んでいます。北海道道438号天塩中川停車場線や北海道道541号問寒別佐久停車場線など、主要道路へのアクセスも良好です。駅周辺には、中川町役場、中川町立中川中学校、中川町立中央小学校、中川郵便局、金融機関、スーパーマーケット、そして「ぽんぴら温泉」といった町の中核施設が集中しており、生活利便性が高いエリアとなっています。また、天塩川左岸には国道40号と道の駅なかがわがあり、観光客にとってもアクセスしやすい立地です。エコ・ミュージアムセンターでは、首長竜の化石など、地域の歴史や自然を学ぶことができます。

利用状況と未来

天塩中川駅の利用状況は、変遷を辿ってきました。近年は無人駅としての運営が続けられていますが、町の中心部という立地条件から、地域住民の生活に欠かせない存在であり続けています。駅周辺の整備や交流プラザの活用など、地域活性化の一端を担う役割も担っています。

天塩中川駅は、単なる鉄道駅にとどまらず、地域の活性化を支える重要な拠点として、その役割を今後もしっかりと果たしていくことが期待されます。

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