天神祭

大阪天神祭：火と水の祭典、千年の歴史と文化

大阪天満宮を中心に大阪市で行われる天神祭は、日本三大祭の一つであり、大阪三大夏祭りの一つでもあります。その起源は古く、大阪天満宮が鎮座した2年後の天暦5年（951年）にまで遡ります。約1か月に及ぶ期間中、様々な神事や行事が行われ、特に7月25日の本宮の夜には、大川（旧淀川）を舞台とした船渡御と奉納花火が祭りのハイライトを飾ります。

天神祭の歴史

天神祭は、祭神である菅原道真公の命日にちなんだ縁日として、日本各地の天満宮で行われています。大阪天満宮の天神祭は、天暦5年（951年）に始まったとされ、大川に神鉾を流し、流れ着いた場所に祭場を設けて禊払いを行うというものでした。これが鉾流神事の起源となり、その祭場に船で奉迎したことが船渡御の始まりとされています。

江戸時代に入ると、天神祭は日本三大祭の一つとして広く知られるようになります。豊臣秀吉による催太鼓の拝領、寛永年間の御旅所の設置、元禄時代の御迎人形の登場など、時代とともに祭りの形態も変化していきました。

明治時代には、維新の動乱やコレラの流行などにより一時中断されましたが、その後再開。昭和時代には、戦争の影響による中断やオイルショックによる神賑行事の中止などを乗り越え、現在に至っています。近年では、ギャルみこしの登場や水都祭との合同開催、海外での斎行など、新たな試みも行われています。2020年、2021年はコロナ禍の影響で神賑行事が中止となりましたが、2023年には船渡御と奉納花火が再開され、再び賑わいを取り戻しています。

天神祭の見どころ

天神祭の見どころは、なんといっても7月25日の本宮に行われる船渡御です。夕暮れとともに、篝火を灯した多くの船が大川を往来し、奉納花火が夜空を彩ります。大川に映る篝火や提灯の灯り、そして花火の華麗な姿は、まさに火と水の祭典と呼ぶにふさわしい光景です。

また、陸渡御も祭りの重要な要素です。催太鼓を先頭に、猿田彦や采女、花傘、牛曳童児など、様々な装束をまとった人々が市内を練り歩きます。その行列は、まるで絵巻物のような美しさです。

その他にも、鉾流神事や催太鼓宮入、獅子舞宮入など、様々な神事や行事が行われます。また、天神祭の期間中には、境内や周辺地域で様々な催し物が開催され、多くの人々で賑わいます。

天神祭を支える人々

天神祭は、大阪天満宮の氏子を中心とした多くの人々によって支えられています。講と呼ばれる団体が中心となり、祭りの準備や運営に携わっています。また、近年では、アルバイトやボランティアとして祭りに参加する人々も増えています。清掃ボランティアとして活躍するダストバスターズの存在も忘れてはなりません。

天神祭の用語

講: 天神祭を支える団体。各講によって役割が決まっており、祭りの準備や運営に携わる。
催太鼓: 陸渡御の先頭を切る太鼓。独特の演奏法が特徴で、大阪府の無形民俗文化財に指定されている。
御迎人形: 元禄時代に始まったとされる人形。祭りの際に船に高く掲げられ、神霊を迎えた。
どんどこ船: 鉦太鼓を打ち鳴らしながら進む船。祭りの開催を知らせる役割を担う。
大阪締め: 大阪でよく使われる手締めの一種。天神祭開催中は様々な場面で使われる。
ギャルみこし: 天神橋筋商店街が主催する神輿。オーディションで選ばれた女性が担ぐ。

天神祭への参加

天神祭に参加するには、基本的に講に所属する必要があります。しかし、講の条件は厳しくなく、アルバイトやボランティアとして参加することも可能です。また、市民奉拝船の公募に応募したり、帝国ホテルの奉拝船のチケットを購入して船渡御に参加する手段もあります。

終わりに

大阪天神祭は、千年の歴史と文化を受け継ぐ、大阪を代表する祭りです。火と水の祭典として知られる船渡御や、陸渡御など、見どころ満載です。ぜひ一度、足を運んで、その熱気と感動を体験してみてください。

もう一度検索