女房三十六歌仙

女房三十六歌仙について

女房三十六歌仙（にょうぼうさんじゅうろっかせん）は、日本の鎌倉時代中期に成立した歌合『女房三十六人歌合』に収められた36人の女性歌人を指します。この歌合は、平安時代前期から鎌倉時代中期にかけて活動した歌人たちを対象にしており、その名称は藤原公任が編纂した「三十六人撰」に由来しています。

歌人の構成

女房三十六歌仙は、歌人たちを2つのグループに分けて構成されています。左方には小野小町から相模までの中古歌人が含まれ、右方には式子内親王から藻璧門院少将までの鎌倉初期の歌人が選ばれています。各歌人は一人三首ずつ詠み上げるという形式で、歌合は紙上で行われました。このような形式は、伝統的な歌合のスタイルを反映していますが、特に女性に焦点を当てている点が特徴です。

中古歌人と鎌倉期の歌人

女房三十六歌仙に名を連ねる歌人の中には、小野小町や伊勢、中務、斎宮女御、小大君といった有名な歌人がいます。これらの歌人は主に『三十六人撰』にも登場し、彼らの詩は今でも親しまれています。更に、鎌倉期の歌人としては八条院高倉、俊成卿女、宮内卿、藻璧門院少将などが『新三十六歌仙』に撰ばれていますが、彼らの知名度は他の歌人に比べると比較的低いと言われています。

美術資料とその影響

女房三十六歌仙については、数少ない美術資料が残っていますが、女性歌人の肖像に関しては多くの作品が存在しています。特に、斎宮歴史博物館には江戸前期の『女房三十六歌仙図屏風』や、江戸中期の作品が所蔵されており、これらは重要な資料とされています。また、三井記念美術館では土佐光起による『女房三十六歌仙帖』があり、江戸時代の文化を知る上での貴重な資料です。さらに、東洋文庫には葛飾北斎が描いた『錦摺女三十六歌仙』があり、1801年には発刊されています。

まとめ

女房三十六歌仙は、日本の歌文学における重要な要素であり、平安時代から鎌倉時代にかけての女性歌人たちの成果を知るための貴重な資料です。彼女たちの作品は、現代でも多くの人々に親しまれており、その影響は歌壇だけでなく、美術や文化全般に広がっています。研究書や関連資料も多く発行されており、今後もこの分野の理解が深まることが期待されています。

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