女教皇

女教皇（The High Priestess）

女教皇は、タロットの大アルカナに属する重要なカードの1つです。このカードは女性の神秘的な側面を象徴し、直感や深い知恵、そして内面的な成長を強調します。女教皇は、番号「2」として位置付けられており、その前には「1 魔術師」が、後には「3 女帝」が控えています。日本語では、女祭司長や高位女神官といった呼び名でも知られています。

カードの意味

女教皇の持つ意味には、正位置と逆位置で異なるメッセージが込められています。

• - 正位置の意味: 直感や感性を磨くこと、知恵の追求、内面的な安定や満足、また周囲への期待感や理解力が求められる状況を表します。このカードが出ると、心の声に耳を傾けることや、感受性を大切にすることが重要であることが示唆されます。

• - 逆位置の意味: 一方で、逆位置になると悲観的な思考や無気力、さらには現実逃避や疑心暗鬼に陥る可能性が警告されます。この場合、内面的な混乱や孤立感が強調されることが多いです。

アーサー・エドワード・ウェイトによる解説では「秘密・神秘・英知」が女教皇の特徴とされており、そのイメージは非常に深遠です。

カバラとの関連

女教皇はカバラにおいても重要な位置を占めており、ヘブライ文字「ギーメル」と関連付けられています。このカードは、黄金の夜明け団が提唱する説のもとで、ケテルとティファレトのセフィラを結ぶ経として解釈されることがあります。

占星術との関連

女教皇は占星術とも関連性があり、いくつかの説が存在します。金牛宮、巨蟹宮、そして処女宮などの星座や、月や土星、さらには「水星+月」の説があります。これらの要素は、女教皇に込められた深い意味をさらに広げるものとなっています。

寓画の解釈

このカードは、伝説の女性司祭ヨハンナをモチーフにしていると言われています。カトリック教会では女性が司祭以上の職に就くことは認められていないため、女教皇は象徴的な存在として「反ローマ教皇」とみなされることがあります。特にマルセイユ版の女教皇は、教皇と類似の被り物をしており、これにより彼女の高位性が表現されています。

女教皇が被っている白いベールは、彼女が聖職に就いていることを示すものであり、また彼女の純潔さを象徴しています。彼女が持つ書物は、トーラの書とされ、深い知識や学問の象徴とされています。

ウェイト版では、青い装束をまとった女教皇が印象的で、彼女の持つ青色は冷静さや静けさを想起させます。特に青色は、聖母マリアの象徴としても解釈され、深い精神的な世界との繋がりを示しています。女教皇の冠には、女性神や女神を示す三日月の形状があり、さらに黒と白の柱は光と闇の象徴として解釈されます。

このカードは、見る者に深い知識を授けようとしている構図が描かれており、女教皇が守る聖域への入り口を示唆しています。彼女の知恵を求め、内面的な成長を促すこの位置づけは、タロット全体の中でも特に重要な位置を占めるものとなっています。

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