子宮内膜

子宮内膜について

子宮内膜（しきゅうないまく、英: Endometrium）は、哺乳類の子宮内にある重要な上皮組織です。この組織は、月経周期においてさまざまな変化を遂げる特性を持っています。特に、子宮内膜は妊娠に関連する機能が多く、女性の生理的な健康に深く関与しています。

構造

子宮内膜は通常、機能層と固有層に分けられます。機能層は月経時に脱落し、固有層は常に子宮に残る層です。以下の三つの層から成り立っています。

1. 緻密層
この層は機能層の表面に存在し、子宮腔内に向かって突出しています。細かい上皮細胞からなり、月経時に剥がれ落ちる部分です。

2. 海綿層
機能層の中間部分で、基底層に近い位置にあります。この層は血管が豊富で、柔らかくスポンジ状の構造をします。生理周期に応じて、血液と栄養素を供給し、受精卵が着床しやすいように整えます。

3. 基底層
固有層とも呼ばれ、子宮本体に直接付着している部分で、厚さは約1mmほどとなっています。この層は月経時に脱落しないため、次の周期の機能層の再生に重要な役割を果たします。

月経周期の変化

子宮内膜は月経周期に応じて変化し、そのサイクルは大きく分けて三つの時期に分類されます。

増殖期

これは月経後の時期で、前の周期の内膜が排出された後、次の排卵に向けて新たに子宮内膜が形成される段階です。卵巣で成熟した卵胞から分泌されるエストロゲンの作用により、約10mmと急激に厚みを増していきます。

分泌期

増殖した内膜が成熟し、着床に適した状態になる時期です。この時期は約2週間続き、排卵後に卵胞が黄体に変わり、エストロゲンに加えてプロゲステロンが分泌されます。このホルモンの働きによって内膜は成熟し、受精卵を受け入れる準備を整えます。

月経期

妊娠が成立しなかった場合、月経が起こり、内膜が剥がれ落ちて体外へ排出される時期です。黄体の寿命が尽きると、エストロゲンとプロゲステロンの分泌が止まり、保持できなくなった子宮内膜は自然に脱落します。

関連項目

• - 産科学
• - 婦人科学
• - 子宮体癌
• - 子宮内膜症
• - 子宮内膜増殖症
• - 黄体機能不全

これらの知識は、婦人科の健康や妊娠に関心がある人々にとって重要です。子宮内膜の変化とそれに関連するホルモンの作用を理解することは、女性の健康管理において不可欠な要素です。

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