字游工房

字游工房について

株式会社字游工房（じゆうこうぼう、英: JIYUKOBO Ltd.）は、東京都新宿区に本社を置く、書体デザインを専門とする企業です。2019年3月からはモリサワグループの一員として、その活動を続けています。

設立と変遷

字游工房は、写真植字機メーカーの最大手であった写研の社員、鈴木勉氏、鳥海修氏、片田啓一氏の3名が独立し、1989年9月に東京都渋谷区恵比寿で設立されました。設立当初から、自由な発想で文字を制作したいという強い思いが込められていました。

設立から1998年に鈴木勉氏が亡くなるまで、彼が代表取締役を務めました。その後、鳥海修氏がその役割を引き継ぎましたが、2019年3月に字游工房がモリサワの傘下に入ったことを機に退任しました。この変遷は、書体デザイン業界における企業の変化を象徴する出来事として注目されています。

社名の由来

社名は当初、「字遊工房」と名付ける予定でした。これは、「自由に文字を作りたい」という創業メンバーの強い願いを反映したものでした。しかし、公証役場に申請書類を提出する途中で、偶然ギャラリーの名前に「游」の字を見つけたことがきっかけで、「字游工房」に決定されたというエピソードがあります。この名称は、会社の個性と創造性を表すものとして、現在に至るまで受け継がれています。

主な製品

字游工房は、多岐にわたる書体デザインを手がけており、その中でも特に著名な製品を以下に挙げます。

千都フォントライブラリー：幅広い用途に対応できる豊富なフォントコレクションです。
ヒラギノ：SCREENホールディングスグループが販売する、広く普及している書体です。その美しさから多くの人に愛されています。
游書体ライブラリー：字游工房を代表する書体群で、游明朝体、游ゴシック体、游教科書体などが含まれます。
游明朝体：伝統的な明朝体の美しさを継承しつつ、現代的なデザインが施されています。
游ゴシック体：明朝体と対をなす、現代的で読みやすいゴシック体です。
游教科書体：教科書出版最大手の東京書籍と共同開発された、教育現場での使用に適した書体です。

これらの製品は、出版物、ウェブサイト、広告など、さまざまなメディアで使用されており、日本の文字文化に貢献しています。

まとめ

字游工房は、設立当初からの「自由に文字を制作したい」という理念を貫き、革新的な書体デザインを提供し続けています。モリサワグループの一員となった今も、その創造性は失われることなく、業界の発展に貢献しています。今後の字游工房の活動にも、大きな期待が寄せられています。

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