写真植字

写真植字について

写真植字（しゃしんしょくじ）は、略して写植とも呼ばれ、文字や画像を印画紙やフィルムに印字する技術のことです。このプロセスでは、特別な写真植字機を用います。主に印刷業界で使用され、特に長年にわたりテレビ放送用のテロップを作成するためにも利用されてきました。

この技術は、活版印刷のように多くのサイズの活字が必要な場合とは異なり、1個の文字ネガがあれば済むという効率的な特性を持っています。写真植字は、オフセット印刷の普及とともにその需要が急速に拡大し、印刷業界において重要な役割を果たしてきました。

写真植字の特長

写真植字の大きなメリットは、文字のネガをレンズで拡大したり変形させて印画紙に焼き付けることによって、独特の柔らかい印象を持たせることができる点です。この柔らかさは、従来の活版印刷にはない、新しい印刷物の特徴として評価されています。最近ではDTP（デスクトップパブリッシング）の普及により、写真植字が減少傾向にあるものの、特にタイトル文字など特定の用途において指定されて使用されることもあります。

歴史と測定単位

写真植字の歴史は、日本の印刷業界において著名な企業である写研（旧称：写真植字機研究所）の歴史と深く結びついています。写研は、写真植字に関する先駆的な技術開発を行ったことで知られています。

文字の大きさの単位は「Q」（または「級」）、文字の送り量の単位は「H」（または「歯」）という特殊な単位が用いられ、いずれも0.25mmを1単位としています。例えば、「24Q」という表現は、6mmの大きさの文字を意味します。このような精密な単位設定は、印刷物の表現やデザインに多様性を与える要因となっています。

関連項目とリソース

写真植字は、日本における印刷技術の発展の一環として位置付けられ、多くの関連項目があります。主な関連項目には、印刷、出版、組版、活版、電算写植、DTPなどがあります。また、外部のリソースとして、DTPニュースのインタビュー「写真植字の時代」や、コトバンクでの『写真植字』に関する情報も参照できます。特に、写研に関する詳細なデータや歴史的背景は、印刷技術に興味を持つ人々にとって貴重な情報源と言えるでしょう。

このように、写真植字はその独自の技術と歴史的背景において、印刷業界において重要な位置を占めています。

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