完州郡

完州郡（ワンジュぐん）

完州郡は、大韓民国全北特別自治道の中部に位置する郡です。特筆すべきは、道庁所在地である全州市を文字通り取り囲むように存在している点です。元々は全州市と一つの行政区を形成していましたが、その後の変遷を経て現在の形となりました。

歴史

完州郡の歴史は古く、百済時代には高山や只伐只といった地名が見られました。757年には、只伐只が雲梯と改名されています。

1914年の郡面併合により、全州府と高山郡が統合され、全州郡が誕生しました。この際、20の面が成立しましたが、その後の行政区画の変更により、その数は変動しています。特に、1935年には全州邑が全州府として昇格・分離し、既存の全州郡が完州郡へと改称されるという大きな変化がありました。

行政区画の変遷

完州郡の行政区画は、時代とともに複雑な変遷を遂げています。

1930年：上関面、薍田面、伊東面の一部が全州面に編入。
1931年：全州面が全州邑に昇格。
1935年：全州邑が全州府に昇格・分離。これに伴い、全州郡が完州郡に改称。
1940年：伊東面および雨田面・助村面のそれぞれ一部が全州府に編入。
1956年：参礼面が参礼邑に昇格。
1957年：草浦面・雨田面が廃止。草浦面・龍進面・上関面・雨田面・助村面のそれぞれ一部が全州市に編入。
1973年：鳳東面が鳳東邑に昇格。
1985年：助村面が助村邑に昇格。
1987年：助村邑が全州市に編入。
1989年：龍進面山亭里・今上里、九耳面龍伏里・仲仁里・院堂里・石九里が全州市に編入。雲洲面庚川出張所が庚川面に昇格。
1990年：伊西面中里・上林里が全州市完山区に編入。
1994年：金堤郡龍池面金坪里が伊西面に編入。
2015年：龍進面が龍進邑に昇格。

2012年には、全州市との統合を問う住民投票が実施されましたが、反対多数により統合は実現しませんでした。

行政

現在の完州郡は、3つの邑と10の面から構成されています。人口が最も多いのは鳳東邑ですが、郡庁所在地は龍進邑に置かれています。また、伊西面は全州市と金堤市の間にある飛び地となっています。

交通

完州郡には、韓国鉄道全羅線が通っており、参礼駅、新里駅、竹林温泉駅が存在します。ただし、旅客列車が停車するのは参礼駅のみで、ムグンファ号が1日12往復停車します。鳳東邑方面へは、参礼駅や全州駅、全州市街地を結ぶ全州市の市内バスが運行されています。

高速道路は、湖南高速道路（西全州IC、参礼IC）と益山-浦項高速道路（完州IC、所陽IC）が利用可能です。

観光

完州郡には、大芚山道立公園や母岳山といった自然豊かな観光スポットがあります。特に、母岳山には金日成の先祖である全州金氏の始祖廟があることで知られています。

姉妹都市

完州郡は、国内外の複数の都市と姉妹都市提携を結んでいます。

慶尚北道漆谷郡
ソウル特別市西大門区
ソウル特別市瑞草区
米国カリフォルニア州カールソン市
中国江蘇省淮安市

外部リンク

完州郡公式サイト（朝鮮語）
完州郡公式サイト（英語）
* 完州郡文化観光サイト（朝鮮語）

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