漆谷郡

漆谷郡（チルゴクぐん）

漆谷郡は、大韓民国慶尚北道の南西部に位置する郡です。大邱広域[[市]]に隣接しており、洛東江の両岸に広がる平野では、近郊農業や畜産業が営まれています。近年では、大邱広域[[市]]や亀尾市への通勤圏としてベッドタウン化が進んでいます。

地理的特徴と産業

漆谷郡は、大邱広域[[市]]と繊維産業が盛んな亀尾市に隣接しているため、繊維工場や電子部品工場が多く立地しています。また、高速道路網が整備されており、内陸部の物流拠点としても重要な役割を果たしています。郡の中心地は倭館邑にあり、郡名の由来となった漆谷邑は現在、大邱広域[[市]]北区に編入されています。

歴史

漆谷郡の歴史は古く、1640年には漆谷都護府が設置されました。その後、1895年に大邱府漆谷郡、1896年には慶尚北道漆谷郡に改編されました。1914年には郡面併合により仁同郡が編入され、郡庁が倭館面に設置されました。

朝鮮戦争では、1950年夏の釜山橋頭堡の戦いにおいて激戦地となりました。特に倭館は洛東江防御線の要地であり、北朝鮮軍と国連軍の間で激しい争奪戦が繰り広げられました。架山面の多富里では、ボウリング場の戦い（多富洞の戦い）と呼ばれる熾烈な戦闘が行われました。この戦いで、多くの犠牲者が出ました。

行政区画

漆谷郡は、倭館邑、北三邑、石積邑の3つの邑と、若木面、架山面、東明面、枝川面、岐山面の5つの面で構成されています。郡内には、漆谷警察署、漆谷消防署などの行政機関が設置されています。

交通

鉄道は京釜線が郡内を通過しており、若木駅、倭館駅、蓮花駅、新洞駅、枝川駅が設置されています。バスは郡内バスの他、亀尾市、金泉市、星州[[郡]]の市内バスが乗り入れています。また、大邱広域[[市]]のバスも東明面まで乗り入れています。

高速道路は、京釜高速道路と中央高速道路が郡内を通過しており、漆谷物流インターチェンジ、倭館インターチェンジ、漆谷サービスエリア、東明サービスエリア、多富インターチェンジ、架山インターチェンジが設置されています。

漆谷郡の主な出来事

1640年：漆谷都護府設置
1895年：大邱府漆谷郡に改編
1896年：慶尚北道漆谷郡に改編
1914年：郡面併合により仁同郡を編入、郡庁を倭館面に設置
1949年：倭館面が倭館邑に昇格
1950年：朝鮮戦争で激戦地となる（303高地の虐殺事件発生）
1973年：北三面洛渓洞が善山郡亀尾邑に編入
1978年：仁同面を新設の亀尾市に編入
1980年：漆谷面が漆谷邑に昇格
1981年：漆谷邑が大邱直轄市北区に編入
1983年：北三面呉太洞が亀尾市に編入
1986年：若木面東部出張所が岐山面に昇格
2003年：北三面が北三邑に昇格
2006年：石積面が石積邑に昇格

漆谷郡の観光

漆谷郡には、朝鮮戦争の激戦地となった場所や、自然豊かな場所など、様々な観光スポットがあります。近年では、歴史的な出来事を伝える場所も整備されています。また、郡内には多くの寺院や文化財も存在しています。

外部リンク

漆谷郡公式サイト（韓国語）
漆谷郡公式サイト（日本語）

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