宮本亞門

宮本亞門（みやもと あもん）

宮本亞門は1958年1月4日に東京・中央区銀座で生まれた日本の演出家であり、特にミュージカルやオペラ、ストレートプレイなど多様なジャンルで活躍している。彼はこれまでに120以上の作品を演出し、国内外でその名を広めてきた。また、演出家としてのキャリアをスタートさせた1987年からは、文化庁芸術祭賞を受賞するなどその才能を証明している。

初期の経歴

宮本は新橋演舞場の近くの喫茶店で幼少期を過ごし、母の影響で早くから舞台芸術に親しんできた。幼稚園の頃から日本舞踊を学び、成長するにつれ美術や音楽、特にハリウッドミュージカルに魅了されるようになった。中学校では仏像鑑賞にも興味があり、独特の感性を養っていく。

高校時代は、一時期不登校となり引きこもり生活を経験するが、その中でミュージカルやクラシック音楽を通じて演出家の夢を抱くようになる。大学では演劇を専攻し、ダンサーとしても活動を開始した。

ダンサー・振付師としての活動

1978年にミュージカル『シーソー』でダンサーとしてデビューし、その後『ヘアー』や『シカゴ』などの有名ミュージカルでもパフォーマンスをこなす。1984年に振付師としても活動を始め、多くの作品に参加した。ニューヨークやロンドンでの経験を経て、演出家としての道を歩み出す。

演出家としての成功

1987年にはオリジナルミュージカル『アイ・ガット・マーマン』で演出家デビューし、翌年には文化庁芸術祭賞を受賞。2001年にはアメリカのスタンフォードセンター・リッチフォーラム劇場で『アイ・ガット・マーマン』を上演し、2004年には東洋人として初めてブロードウェイ演出に挑戦した。その作品『太平洋序曲』はトニー賞にノミネートされ、国際的な評価を得ることとなる。

他にも、ニューヨークやフランス、シンガポールでの製作に携わり、文化的な架け橋としての役割も果たしてきた。2016年には能と3D映像を融合させた『幽玄 YUGEN』をシンガポールで初演し、多文化共生の理念を体現した。

私生活での挑戦

2019年、健康診断で前立腺がんが判明し、手術を受けた。術後も活動を続け、フィギュアスケートと源氏物語を融合させた舞台を創作し、新たな芸術表現に挑んでいる。

今後の活動

2022年には映画「カラテキッド」をミュージカル化し、米国での初演が予定されている。また、2023年にはNHK朝ドラ『ブギウギ』に出演するなど、演技の新たな挑戦にも意欲を見せている。

宮本亞門の活動は、様々な芸術ジャンルを結びつける革新的なものであり、今後の作品も期待されている。彼の演出スタイルは、多くの観客を魅了し、演劇界において重要な役割を果たし続けている。

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