富山市ガラス美術館

富山市ガラス美術館：ガラス工芸の美と歴史が輝く富山

概要

富山市ガラス美術館は、富山県富山市中心部にある公立美術館です。TOYAMAキラリという複合施設内に位置し、ガラス工芸を愛する人々にとって、まさに楽園と言える空間です。2015年の開館以来、100万人以上の来館者を迎え、富山市の文化拠点として重要な役割を果たしています。 ガラスの街とやまを象徴する存在として、市民や観光客に親しまれています。

歴史：薬瓶から現代アートへ

富山市は、かつて盛んな製薬産業を擁していました。その歴史は、薬のガラス瓶製造にまで遡ります。太平洋戦争後のガラス産業の衰退を憂慮した富山市は、1985年に富山市民大学ガラス工芸コースを開設し、ガラス産業の再生に動き出しました。その後、富山市立富山ガラス造形研究所や富山ガラス工房の設立を経て、ガラス工芸の振興に力を入れてきました。2001年にはガラス美術館基本構想を策定、幾多のステップを経て、2015年、TOYAMAキラリ内に富山市ガラス美術館が開館しました。開館以来、数々の企画展を開催し、来場者数は右肩上がり。2020年には来館者数100万人を達成するなど、大きな成功を収めています。

特徴：充実したコレクションと空間演出

美術館はTOYAMAキラリ2階から6階に広がり、そのうち南側に位置しています。館内には、常設展示として「コレクション展」「グラス・アート・パサージュ」「グラス・アート・ガーデン」の3つのゾーンがあります。「コレクション展」では、藤田喬平やハワード・ベン・トレといった日本を代表するガラス作家たちの作品を展示。定期的に展示替えを行い、新鮮な作品との出会いを提供しています。「グラス・アート・パサージュ」は、美術館内の壁面などに富山ゆかりの作家約50点の作品を展示する、無料の常設展示です。そして、美術館のシンボルともいえるのが6階にある「グラス・アート・ガーデン（チフーリ・エクスペリエンス）」です。アメリカを代表する現代ガラス美術の巨匠、デイル・チフーリによる大規模なインスタレーション作品が常設展示され、幻想的な空間を創出しています。非営利目的であれば写真撮影も可能です。

主な収蔵作品：巨匠たちの傑作

美術館には、デイル・チフーリの代表作「トヤマ・ミルフィオリ」や「トヤマ・フロート・ボート」をはじめ、数々の貴重な作品が収蔵されています。他にも、藤田喬平の飾筥シリーズや、ハワード・ベン・トレ、冨樫葉子など、国内外の著名なガラス作家の作品を豊富に所蔵。これらの作品を通して、ガラス工芸の豊かな表現世界を体感できます。

企画展：多彩なガラスアートの世界

開館以来、富山市ガラス美術館では、現代ガラス芸術を紹介する企画展を数多く開催してきました。国内外の現代ガラス作家に焦点を当てた企画展や、特定のテーマに沿った展覧会など、多様なプログラムが展開されています。これにより、来館者は常に新しいガラスアートの世界に触れることができます。また、富山ガラス大賞展は、3年に一度開催される国際的なガラスコンペティションで、世界中から応募された作品が展示されます。

施設情報：充実した設備とアクセス

美術館は、富山地方鉄道富山軌道線西町停留場から徒歩1分というアクセス抜群の立地です。館内には、ミュージアムショップやカフェも併設されており、一日を通して楽しむことができます。展示室以外にも、レクチャールームやギャラリーなどがあり、多目的に活用されています。

まとめ：ガラスアートの魅力に触れる旅

富山市ガラス美術館は、ガラス工芸の歴史と現代アートの融合を体感できる、魅力あふれる施設です。充実したコレクション、多彩な企画展、そして幻想的な空間演出により、来館者に忘れられない体験を提供しています。富山を訪れた際は、ぜひ足を運んで、ガラスアートの世界に浸ってみてください。

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